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1986 年度 実績報告書

HTLVの母児間伝達(母乳を中心として):疫学的及び実験ウイルス学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61210026
研究機関長崎大学

研究代表者

日野 茂男  長崎大, 医学部, 助教授 (70012763)

研究分担者 宮田 博規  長崎大学, 医学部, 助手 (70174191)
竹本 泰一郎  長崎大学, 医学部, 教授 (60010005)
五十嵐 久永  長崎大学, 医学部, 講師 (00039554)
宮本 勉  長崎大学, 医学部, 教授 (10004582)
キーワードHTLV-I / 成人T細胞白血病 / リンパ腫 / 母児感染 / 母乳
研究概要

成人T細胞白血病・リンパ腫(ATLL)は九州出身者に集績し、その原因ウイルスHTLV-Iは西日本、特に九州に地域内流行を示す。HTLV-I伝達に(1)家族内伝達、(2)生きた感染細胞の伝達を主条件にあげる時、母児感染の可能性が高い。長崎市周辺妊婦5.015例の中187例(3.7%)がキャリアであった。キャリア妊婦の出産時の臍帯血ではIgM抗体、HTLV-I抗原保有細胞は全例に陰性で子宮内感染の可能性は低かった。キャリア母親の児5/30(17%)に対し対照群のキャリア率は約1%であった。逆に小児キャリアの母親は92%がキャリアで、HTLV-Iの母児感染は証明され、HTLV-Iの地域内流行の主役であることを示している。児の年齢別キャリア頻度から感染は生後2才までに成立するものと考えた。追跡調査児について栄養法を調査したところ、母乳栄養児は14/47(30%)、混合栄養児は4/40(10%)、人工栄養児は0/9(0%)がキャリアであり、母乳感染に一致した。キャリア母乳中の感染細胞数は【10^3】/ml程度存在することが判明し、さらにキャリア母乳200ml中の細胞(17例、28回)の経口投与でマーモセットは感染し、母乳の感染能が証明された。母乳によるHTLV-I感染の証明法として、キャリア母親の授乳を避けることにより、地域内流行ひいてはATLLの発生を予防できるかどうか現在介入試験を行っている。母乳を与えないという負担は母児ともに大変大きい。抗体陽性という以外にキャリアの感染能の指標となる要因を探している。キャリア母親の末梢血T細胞を短期培養でウイルス抗原の発現を認めた者は9/19(47%)がキャリア児を持ち、ない者は2/19(11%)であった。またキャリア母親を抗体価によって分類すると、抗体価の高い者が児にウイルスを移しやすいことが判った。さらに母乳中の細胞培養で感染細胞の検出される母親の児は6/10(60%)がキャリアであったのに対し、検出されない母親では2/22(9%)だった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Sugiyama,Hidenori: J.Med.Virol.20. 253-260 (1986)

  • [文献書誌] 日野茂男: 日本臨床. 44. 159-164 (1986)

  • [文献書誌] 日野茂男: Medicina. 23. 1990-1996 (1986)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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