研究課題/領域番号 |
61211016
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
内本 喜一朗 京大, 工学部, 教授 (90025958)
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研究分担者 |
高井 和彦 京都大学, 工学部, 助手 (00144329)
大嶌 幸一郎 京都大学, 工学部, 助教授 (00111922)
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キーワード | アセチレン / カルボアルミニウム化反応 / アリルシラン / トリエチルホウ素 / ヒドロスタニル化反応 / ヒドロゲルミル化反応 |
研究概要 |
入手容易なアセチレンを原料として、その三重結合への位置および立体選択性の優れた反応を見出し、その反応を利用して炭素骨格を高選択的に構築することは、炭素資源の高度利用を計る上で重要である。カルボメタル化およびヒドロメタル化を取り上げ、炭素骨格の新しい構築法の開拓を検討した。成果を以下に列挙する。1カルボアルミニウム化反応。1-アルキンをクロロメチルジメチルシリル-1-アルキンに導き、そのものにヒドロアルミニウム化反応を行なうと高選択的にシス付加体が得られた。この生成物に3当量のメチルリチウムを作用させると転位反応がおこり、(E)-2-リチオ-1-トリメチルシリル-2-アルケンが高収率で得られることを見出した。全体として見れば、1-アルキンを1-リチオ体としたのち、更にHと【CH_2】Si【Me_3】を位置および立体選択的に付加させた形の生成物が得られたことになる。上記の転位生成物はエチンからも、カルボアルミニウム化およびメチルリチウムによる転位反応により高収率で得られることが明らかになった。新しい選択的なアリルシラン体の合成として有用である。2トリエチルホウ素触媒によるアセチレンへのSn-HおよびGe-Hの付加反応。有機合成に有用な(E)-1-アルケニルスズは1-アルキンへのSn-H付加反応により作りだせるが従来のラジカル的付加反応では位置および立体選択性が低く、また反応には加熱が必要なことが多く、検討が望まれたいた。このヒドロスタニル化反応に触媒量のトリエチルホウ素の添加が非常に有効であることを見いだした。反応を分子内に二重結合をもつアセチレン化合物に行い、環化体を立体選択的に得た。Ge-Hも同様にトリエチルホウ素の添加によりアセチレンに付加する。このヒドロゲルミル化反応の立体選択性(E/Z選択性)が反応温度により制御できることを見いだした。これらのアセチレンの高選択的な反応の結果については速報として報告した。
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