• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1986 年度 実績報告書

結合組織を形成しているヒアルロン酸の代謝とヒアルロン酸尿症に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61219002
研究機関弘前大学

研究代表者

遠藤 正彦  弘前大, 医学部, 教授 (20004616)

研究分担者 花田 勝美  弘前大学, 医学部, 助教授 (80091627)
中村 敏也  弘前大学, 医学部, 助手 (00155847)
高垣 啓一  弘前大学, 医学部, 助手 (70163160)
松江 一  弘前大学, 医学部, 助教授 (30106843)
工藤 一  弘前大学, 医学部, 教授 (40003397)
キーワードヒアルロン酸の分解 / グリコサミノグリカリンの分解 / ヒアルロン酸尿症 / エンド-ベータ-グルクロニダーゼ / ベータ--グルクロニダーゼ / ウェルナー症侯群 / ヒアルロン酸分解酵素
研究概要

結合組織を形成しているヒアルロン酸の代謝とウェルナー症侯群患者の呈するヒアルロン酸尿症に関して以下のような研究成果が得られた。
1.生体内ヒアルロン酸の動態:組織、血漿、尿のヒアルロン酸を分離し、その分子サイズを比較した結果から、ヒアルロン酸は組織で分解をうけ、その低分子化された一部は肝臓で徹定的に分解され、他は尿へ排泄されることが知られた。
2.ヒアルロン酸分解酵素の分離:前記の研究成果をふまえ、ウサギ肝臓でヒアルロン酸の分解に関与する酵素を検索した。その結果ヒアルロン酸と同族の物質である抵硫酸化コンドロイチン硫酸を共通の基質とする、長鎖のグリカンの非還元末端よりグルクロン酸を遊離させる"長鎖グリカン-エクソ-β-グルクロニダーゼ"を分離した。更に、ヒアルロン酸由来の二糖(N-アセチルヒアロビウロン酸)のグルクロン酸を遊離させる"二糖-β-グルクロニダーゼ"を見い出した。これらの酵素により未解明であったヒアルロン酸の異化分解機構の一端が説明可能となった。
3.尿中ヒアルロン酸の性状:ウェルナー症侯群患者と健康人の尿中ヒアルロン酸を分離し、その分子の性状を比較した。両者のヒアルロン酸は、分子サイズ、構成成分糖、糖鎖の環元末端及び非環元末端糖等に差異が認められず、本症において排泄量の増加が認められるのみであった。
4.培養線維芽細胞を【^3H】-グルコサミンと共に培養し、ヒアルロン酸の合成能を比較したが両者間に明確な差異は認められなかった。しかし、本症患者の線維芽細胞の培養可能継代数の短縮が認められた。
5.今後、患者由来の培養細胞でヒアルロン酸の分解の異常の有無について更に検討を進める予定である。

  • 研究成果

    (15件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (15件)

  • [文献書誌] 中村敏也 他: 結合組織. 17. 232-233 (1986)

  • [文献書誌] 高垣啓一 他: 結合組織. 17. 234-235 (1986)

  • [文献書誌] 中村敏也: 生化学. 58. 783 (1986)

  • [文献書誌] 高垣啓一: 58. 784 (1986)

  • [文献書誌] 吉原秀一: 結合組織. 18. 61 (1987)

  • [文献書誌] 高垣啓一: 結合組織. 18. 84 (1987)

  • [文献書誌] 松江一 他: Biochimica et Biophysica Acta. (1987)

  • [文献書誌] 高垣啓一 他: Journal of Biological Chemistry. (1987)

  • [文献書誌] 中村敏也 他: Biochimica et Biophysica Acta. (1987)

  • [文献書誌] 中村敏也 他: Biochimica et Biophysica Acta.

  • [文献書誌] 遠藤正彦 他: 文部省特定研究「先天性代謝病」研究班報告書. (1987)

  • [文献書誌] 中村敏也 他: 結合組織. (1987)

  • [文献書誌] 遠藤正彦 他: "動物成分利用集成、-尿、酸性ムコ多糖と糖タンパク質" R&Dプランニング, 14 (1987)

  • [文献書誌] 遠藤正彦 著,坪井 他編: "現代の生化学(糖質、複合糖質の代謝、結合組織、糖質の代謝異常症、複合糖質の代謝異常症)" 金原出版株式会社, 58 (1987)

  • [文献書誌] 遠藤正彦 著,林,廣野編: "医療の生化学(糖質、糖質の代謝 糖質代謝異常症)" 株式会社 南江堂, 50 (1987)

URL: 

公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi