研究概要 |
Si上に成長したGaAsに半導体レーザが形成できると、Siの電子回路とGaAsのレーザを組み合わせた新しいタイプのOEICが実現できる。我々は世界で初めてSi上レーザの室温パルス発振に成功し、その特性を調べてきた。通常の極ストライプ構造はGaP,GaP/GaAsP歪超格子,GaAsやGaAs歪超格子の中間層の上に通常のDH構造を成長したものである。しきい値電流密度、特性温度は4.9KA,179Kであり、GaAs上のものと比べてそれぞれ6倍,60K程度大きい。しきい値電流はGaAs上のものより劣っているが、最大光出力は両者ともほぼ同じである。これは、Siの熱伝導率がGaAsより大きいためだと考えられる。GaAs上のレーザはTEモードで発振しているが、Si上のレーザは(TE+TM)モードで発振している。次にSi上にTJSレーザを作製した。しきい値電流は、379mAに低下した。基板へのもれ電流が大きいため、中間層とGaAsの間に、高抵抗層を挿入することによって、しきい値電流はさらに低下するものと考えられる。 今後はレーザの構造を最適にし、転位密度を減少させることによって、連続発振も可能であると思われる。
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