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1986 年度 実績報告書

高分子の非線形的光化学現象の探索と解明

研究課題

研究課題/領域番号 61223014
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

増原 宏  京工繊大, 繊維学部, 教授 (60029551)

研究分担者 池田 憲昭  京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (70176098)
板谷 明  京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (80035071)
キーワード非線形 / 蒸着膜 / キャストフィルム / アニーリング / 有機薄膜 / 会合体 / エキシマーレーザー / 高励起状態
研究概要

凝縮系を高密度光束で励起した時にみられる光化学挙動は、レーザー光のエネルギー,光子数,パルス巾はもとより、光を吸収するクロモフォアの種類,濃度,分布,相対配置の関数である。とりわけその挙動が、光子数にもクロモフォア数にも非線形的に依存することが特徴である。このような挙動の探索とその分子論的電子論的解明をはかる研究の一環として、有機薄膜の研究を行った。ピレン環を含んだ長鎖カルボン酸の真空蒸着膜は、アモルファスな構造をとるが、光励起によりアニーリング現象を起こす。その際ピレン環の種々の会合状態にもとづく蛍光スペクトルに変化がみられる。蒸着膜におけるピレン環の大部分は、無蛍光性の会合体【A_1】を形成するかモノマーMとして存在する。この他蛍光性会合体【A_2】,【A_3】があるが、時間分解蛍光測定によればM→【A_2】,M→【A_3】のエネルギー移動により生成している。Xeランプ励起によるアニーリングは、【A_2】→【A_1】,【A_3】→【A_1】の会合体の間の変換をもたらし、一方308nmエキシマーレーザー励起の場合は【A_3】→【A_(3´)】→【A_1】の過程が誘起される。ここで【A_(3´)】は【A_3】と似た構造をとる会合体を示す。レーザー励起固有の【A_3】→【A_(3´)】には、多光子吸収ないしはSi-Si消失により生じた高い励起状態が、重要な役割を果している。このように蛍光解析により、アニーリングの分子論的側面が明らかとなってきた。一方非線形的光化学反応の例として、ポリ(Nビニルカルバゾール)のキャストフィルムの308nmエキシマレーザー照射実験を行った。サンドイッチおよび第2エキシマーの相対蛍光強度の変化、蛍光強度減少率、繰り返し周波数および励起光強度依存性より、反応はサンドイッチエキシマー形成サイトにおける光酸化反応であり、その高い励起状態からおこるものと結論した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Akira ITAYA: Chemistry Letters. 1541-1544 (1986)

  • [文献書誌] Akira ITAYA: Chemical Physics Letters. 133. 235-238 (1987)

  • [文献書誌] 増原宏: 高分子. 35. 782-785 (1986)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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