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1986 年度 実績報告書

ビタミンB∋⊆類縁錯体におけるアクシアル配位子の反応に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61225020
研究機関九州大学

研究代表者

松田 義尚  九大, 工学部, 助教授 (10037757)

研究分担者 久枝 良雄  九州大学, 工学部, 助手 (70150498)
キーワード疎水性ビタミン【B_(12)】 / コバルト炭素結合 / 炭素骨格組み換え反応 / ホロ酵素モデル / アルキルコバルト錯体 / ビタミン【B_(12)】依存反応
研究概要

1.疎水性ビタミン【B_(12)】の合成 疎水還境において、補酵素機能を発揮させるため、天然のビタミン【B_(12)】をエステル結合を用いて修飾した疎水性ビタミン【B_(12)】を合成した。また、疎水性環境の提供および基質(基質補酵素錯体)の運動制御を行なうアポ酵素モデルとして、二分子膜ベシクルを形成する合成脂質および両親媒性置換基を持つアザパラシクロファンを合成した。蛍光性基質〜【B_(12)】錯体を用いて蛍光スペクトル,蛍光偏光度を測定した結果、アポ酵素モデルを含む水中では、基質〜【B_(12)】錯体は疎水還境中に取り込まれ、運動が制限されていることが明らかとなった。
2.基質〜【B_(12)】錯体におけるコバルト炭素結合の光開裂 2-位に置換基を持つアルカン類を基質として、基質〜【B_(12)】錯体を合成し、各種媒質中で光照射を行ない、反応を可視スペクトル、ESRスペクトルで追跡した。この結果、いずれの媒質中においても、光照射によるホモリシスがおこり、コバルト(【II】)〜基質ラジカルの対が生成することがわかった。
3.ラジカル対の挙動と、微視的環境との関連 光反応の生成物を分析した結果、アポ酵素モデルを含む水中では、基質の炭素骨格組み換え反応が進行することが明らかとなった。これに対して、均一溶液中では、ラジカルから異性化反応が進行せず、水素引き抜き反応のみが進行することが明らかとなった。一方、ベンゼン中で温度を変えて同様な実験を行なうと、4℃以下でのみ異性化反応が進行することが見出された。また補酵素モデルとしての疎水性ビタミン【B_(12)】が存在しない場合には、異性化反応は進行しないことが明らかとなった。以上の結果より、基質〜【B_(12)】錯体のコバルト炭素結合が開裂した後、異性化反応に要する時間コバルト〜ラジカル対が安定に保持されることが、異性化反応進行のための要件となっていると結論でき、上記アポ酵素モデルはこの種の機能を発現する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Yukito Murakami: Chemistry Letters. 555-558 (1986)

  • [文献書誌] Yukito Murakami: Chemistry Letters. 727-730 (1986)

  • [文献書誌] Yukito Murakami: Chemistry Letters. 731-734 (1986)

  • [文献書誌] Yukito Murakami: Bull.Chem.Soc.Jpn.60. 311-324 (1987)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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