研究課題/領域番号 |
61227019
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小川 禎一郎 九大, 国立大学(その他), 教授 (50028156)
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研究分担者 |
河済 博文 九州大学, 総合理工学研究科, 助手 (10150517)
山田 淳 九州大学, 教養部, 助教授 (30136551)
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キーワード | レーザー / センサー / 多光子イオン化 / 高速液体クロマトグラフ / 芳香族分子 / 高感度検出 |
研究概要 |
レーザーを試料に集光照射し二光子イオン化を起こさせ、イオン化にともなって流れる電流を観測し、原子・分子の高感度検出法として利用した。従来の装置を改良し、センサーのための新しい方法の開発を行った。 1.装置の改良とミクロセルの試作‥‥窒素レーザーまたは色素レーザーにより励起し、ボックスカー積分器またはピーク検出回路により測定した。レーザーの集光性のよさに着目し、Free Falling Jetの原理による容量14nlのセルを新しく試作した。液クロカラムから流出した試料液を内径0.15mmのステンレススチールのパイプから針状電極に向かって噴出させ、その間にできる細い液柱にレーザーを集光した。 2.光イオン化信号の波長依存性の測定‥‥パイロ検出器によりレーザー強度をモニターし、光イオン化信号のレーザー波長依存性を求めた。光イオン化信号は吸収スペクトルに対応する構造を示すがより幅が広く、短波長側ほど同じ吸光係数でも信号がより大きかった。溶媒のブランク信号も短波長側で急速に増加した。いくつかの分子の検出限界の波長依存性を測定した結果、吸光係数が大きく、強いレーザー強度がえられ、かつ雑音の大きくない(短波長側でない)波長を選ぶのが分析に最適であると結論した。 3.セミミクロ液クロ装置との結合‥‥補助金により購入したセミミクロ高速液体クロマトグラフ装置(日本分光880PU-100V)により芳香族分子の混合試料を測定した。吸収ピーク波長の差により選択性が得られた。ピレンを試料とし、注入量3μlで検出限界は0.54pg(S/N=3)であった。これは濃度では0.18ng/ml,検出体積中の試料量では2.5fgである。 レーザー多光子イオン化法は新しいミクロセルと組合わせれば、高速液体クロマトグラフによる芳香族分子などの分析に有効で、蛍光法と同程度の感度となりセンサー化が可能な事を示した。
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