研究概要 |
1.染色体セントロメア領域の分離分画法の確立:染色体動原体領域の同定には抗セントロメア抗体活性をもつ強皮症患者の血清を使用した。M期HeLa細胞より染色体を分離精製し、0.3MNaCL存在下で制限酵素Sau3AIを作用させ、抗原の局在する染色体動原体領域の構造は残したまま他領域染色体構造を完全に分解することに成功した。この分解物を庶糖濃度勾配中で遠心分画して、含動原体染色体断片を分離した。(セントロメア分画)。 2.抗原蛋白分子量の決定:セントロメア分画に存在する蛋白をWestern-blot法によって解析し、分子量17kd,82kd,140kdの抗原分子が存在することを見出した。又間期核抽出物中には17kd抗原のみが見出された。 3.17kd抗原の部分精製:HeLaの細胞単離核をDNase処理後、2MNaCLを用いて核蛋白を抽出、次でハイドロキシアパタイトカラムを用いて分画した。17kd蛋白は2MNaCL-0.1MK-PO4溶出画分に回収された。 4.セントロメア分画由来DNAライブラリイの作成:セントロメア分画由来DNAをλgt10に組込んだDNAライブラリイを作成した。 5.In situ hybridizationによるセントロメア由来DNAクローンの解析:上記ライブラリイからin situ hybridizationによりセントロメア領域由来のクローンを選別した。7〜8種の染色体セントロメア領域と特異的にハイブリダイズするクローン1個を得た。このクローンのDNA配列中にはalphoid配列が存在していた。alphoid配列と抗原蛋白とは間期核においても同一部位に存在することが二重染色によって確認された。
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