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1986 年度 実績報告書

アミノ酸置換の導入による耐熱性酵素の高度熱安定化

研究課題

研究課題/領域番号 61230014
研究機関大阪大学

研究代表者

今中 忠行  阪大, 工学部, 助教授 (30029219)

キーワード部位特異的変異操作 / アミノ酸置換 / 好熱菌 / Bacillus stearothermophilus / 耐熱性酵素 / 中性プロテアーゼ / 分子設計基準
研究概要

我々は、部位特異的変異操作を利用したアミノ酸置換による酵素耐熱化のための3つの設計基準を作成した。即ち、(1)相同性の高い領域のアミノ酸は置換しない。(2)統計処理データに基づいて酵素安定化に寄与するアミノ酸置換を導入する。(3)立体構造に基づき、内部疎水性を高め、ヘリックス構造を安定化するアミノ酸置換を行なう。
我々は、好熱菌Bacillus stearothermophilus CU21株由来の耐熱性中性プロテアーゼ遺伝子をクローン化し、既にその塩、基配列とアミノ酸配列を決定している。本酵素の一次構造と他の中性プロテアーゼ一次構造を比較した。特に、耐熱酵素として有名なサーモライシン(中性プロテアーゼ)とは85%の相同性を示し、フレームが完全に一致していた。従って立体構造が既知のサーモライシンを例にとり、我々の中性プロテアーゼの三次構造を推定すると共に、上記分子設計基準に従ってそのアミノ酸置換を試みた。
Glyl44をAlal44に置換した場合、予想通り耐熱性が更に高まった変異酵素が得られた(MI変異)。逆に、Thr66をSer66に置換した場合には、予想通り耐熱性が低下した変異酵素が得られた。このM3変異にM1又はM2(Gly61→Ala61)の変異を導入した二重変異酵素M13やM23の耐熱性は回復しなかったが、三重変異酵素M123の耐熱性はある程度回復した。この様に複数のアミノ酸置換が同時に協同的に作用して耐熱性が上昇する場合もあることが明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] T.Imanaka: Nature. 324. 695-697 (1986)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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