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1986 年度 実績報告書

基底核における可塑性の実験形態学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61231011
研究機関金沢大学

研究代表者

中村 泰尚  金沢大, 医学部, 教授 (70025625)

研究分担者 森泉 哲次  金沢大学, 医学部, 助手 (70157874)
北尾 康子  金沢大学, 医学部, 助手 (00019613)
キーワード可塑性 / 皮質運動野 / 尾状核 / 脚内核
研究概要

学習、記憶は形態学的に捉えられるものか疑問の点が多い。一方、傷害を受けた脳に可塑的な変化が起こり、神経連絡の再構築が見られることは多くの実験例が示している。運動に関する学習の一つのモデルとして、あまり幼若でない仔ネコ(350-800g)の脳に種々の傷害を与えた後の線維連絡の状態を光顕、電顕的に検討した。
1.大脳皮質6野を吸引除去し、1-12ケ月後に4野の前肢領域に放射性アミノ酸を注入しオートラジオグラムを作成した。尾状核頭を観察対象とし、6野からの終止域に4野からの投射線維が新たに側枝を出すなどして終末領域に再構築が起こることを期待したが、明かに断定できる結果は得られなかった。2.前例と同様の仔ネコの尾状核頭中央部から内側部にかけてを電気的に破壊し、術後数ケ月-1年の後に尾状核頭外側部に放射性アミノ酸を注入しオートラジオグラムを作成した。線条体淡蒼球間に存在する内外の局在投射に変化は見られなかった。3.尾状核一脚内核一視床投射回路においてシナプスのレベルで可塑性を検討した。(1)脚内核の軸索終末をシナプス小胞の形状、シナプス後膜の分化を指標に4型に分類した。【I】型は尾状核由来、【II】型は視床下核あるいはそれ以下の脳幹由来と視床への投射ニューロンの軸索側枝の終末の混合型、【III】型は起始の不明なもの、【IV】型は視床下核あるいはそれ以下に由来するものであった。(2)第2の実験と同じ手術操作をしたネコで電顕観察を行い定量化をはかった。この結果内側尾状核投射線維終末消失後に外側部から新たな軸索発芽は見られず、また核内の軸索側枝の終末の増加もはっきりとは結論できなかった。これらの実験の結果から生後1ケ月以上経たネコでは基底核を中心とする系の中で、局在性を変化するような投射の再構築は、少くとも光顕的には起こらないと結論できた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Moriizumi,T.;Nakamura,Y.;Okoyama,S.;Kito,Y.: Neuroscience. (1987)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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