研究概要 |
血清又は血漿中には血管壁のプロスタサイクリン産生を刺激する物質と血中に放出されたプロスタサイクリンを安定化する物質が含まれている事が最近明らかになってきている。本研究ではこの2つの物質の構造を決定しその生理的役割を明らかにする事を目的とした。 (1)PG【I_2】産生刺激因子:本物質は血漿又は血清中に存在して血管壁のPG【I_2】産生を促進する未知の物質である。限外濾過法,高速GPCから分子量分画が千以下の物質である。 心筋梗塞急性期に活性が著明に低下し冠動脈内血栓の発生と密接な関連を示唆する。 高速液体クロマトグラフィを使ったイオン交換クロマト、逆相クロマトにより分離しGC-MS,NMRにより構造を決める。 (2)PG【I_2】安定化因子:本物質は血漿又は血清中に存在する未知の生理活性物質でありPG【I_2】と結合して安定なPG【I_2】結合物を形成する。本物質は蛋白質であり、血清から高速イオン交換クロマト、高速ゲル濾過法により精製された。現在モノクローナル抗体、cDNAを作成してその生理的意義を検討中である。
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