研究概要 |
この研究は、日本の科学各分野が世界中で占めている研究役割・分担の度合い、「日本の研究者の活動度,活動力の妥当性」,「ある研究分野での研究者集団の活動度と他分野集団の活動度との比較」,「日本の研究者の研究の質などといった問に答える為の業績評価手法を確立し、その手法を用いて定量的かつ定期的に研究分野の評価を行うことを目的として、昨年度に開始された研究である。 本年度はINSPECのデータベースを用い、また科学諸分野の論文の被引用度に関する情報を集積したSCI(雑誌)をもとに次のような研究を行った。対象分野は物理学と電気電子工学である。 1.日本,アメリカ,西ドイツ,イタリー,オランダ,連合王国(イギリス),ソヴィエット、などの国々の発表論文数を過去10年間にわたり調査した。その結果、日本の論文総数は急激に増大し、最近ではアメリカに次いで世界第2位であること、その伸び方は科学研究費の増加と明確なる相関が見られること、次いで西ドイツが活躍していることが判明した。 2.アメリカのハーヴァード大学,MIT,プリンストン大学等、西ドイツのGSI,ミュンヘン工科大学等、連合王国のオックスフォード大学,ケンブリッジ大学等を含み、1に列記した国々の主な研究機関や大学についての過去10年間の発表論文に、a)各年の論文総数,b)被引用度の高低による雑誌の評価点(インパクト・ファクター)を用いて、論文に対する評価を考慮に入れた活動度を調べた。MITや西ドイツのマクス・プランク・研究所の活躍が目立つ。 3.日本の大学や研究所について上記2項と同様な調査を行った。インパクト・ファクターを考慮すると、東京大学・京都大学等の活動力が大きく浮び上ることがわかった。
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