研究分担者 |
佐藤 敏生 東京都立大学, 理学部, 助教授 (90087130)
宮治 誠 千葉大学, 生物活性研究所, 教授 (40009494)
坂野 勲 財団法人発酵研究所, 特別研究員 (80100022)
山田 雄三 静岡大学, 農学部, 教授 (20013328)
吉川 昌之介 東京大学, 応用微生物研究所, 教授 (80012714)
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研究概要 |
1.微生物株の収集と保存 本邦および外国の微生物株保存機関・研究者からの分与、および自然界からの分離により合計約1,000株を収集した。外国からの収集株は主として基準株である。これらの菌株は現在各研究分担者が保存しているが一部については長期保存のための処理条件の検討を行った。病原性酵母は緩慢凍結を行わない簡便な方法で凍結保存できることを見出した。Vibrioはスタンプ法により乾燥保存可能なことを見出した。海洋起源の細菌の多くは乾燥保存不可能なので液体窒素凍結保存を行った。 2.分類学的性質の検討と再同定 通常の分類学的性質および化学分類学的性質の検討により次のような実績を得た。(1)新属の提唱 Saitoella,Holleya,Hortaea (2)新種の提唱 Bullera derxii,B.pseudoalva,B.intermedia,B.megalospora,Spolobolomyces oryzycola (3)新組合せの提唱 Comamonas acidovorans,C.testosteroni(4)再同定による他の分類群への移行 Alcaligenes-Achromobacter属 17株。Flavobacterium属の30株をSphingobacterium属,Pseudomonas属へ。Pseudomonas属Vibrio属の27株をComamonas属へ (5)現在置かれている分類学的位置が誤りであることを確認 Alcaligenes-Achromobacter属16株。corynefrerm細菌の13種,別属へ。 3.今後の研究の展開について (1)再同定および分類学的研究により正しい分類学的位置が与えられた微生物株は遂次複数の微生物株保存機関に寄託していく。(2)収集株の中には誤同定株が夛いことが判明した。これは化学分類学的方法などの有効な方法が当時は使えなかったことによる。現在進行中の検討により夛くの株について正しい分類学的位置付けが期待できる。(3)誤同定株が夛いことの別の理由はその株の属している分類群の分類体系が不完全なことである。分類群によっては対象株に正しい分類学的位置を与えるために分類体系確立の研究も同時に併行して行っていく必要があると考えられる。
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