研究課題/領域番号 |
61300010
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 慶児 京大, 人文科学研究所, 教授 (10027542)
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研究分担者 |
赤堀 昭 小太郎漢方製薬研究所, 所長 (60024212)
森村 謙一 大阪府立東淀川高等学校, 教諭
坂出 祥伸 関西大学, 文学部, 教授 (30067574)
勝村 哲也 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (50066411)
麥谷 邦夫 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (90114678)
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キーワード | 黄帝内経太素 / 中国医学 / 伝統医学 / 鍼灸 / 湯薬 / 楊上善 / 漢字電算機処理 / 仁和寺蔵抄本 |
研究概要 |
1.『黄帝内経太素』は、古代中国医学の古典として成立年代がもっとも古い論文を、もっとも原型に近いかたちで集成している資料と考えられるが、これまでの個別の医学知識にかかわる部分への論究はべつとして、歴史的・文献学的な研究はなされていない。われわれは毎週1回定例研究会を開き、とりあえず北京人民衛生出版社版を底本とし、それと仁和寺蔵本、台湾蔵本、京大図書館蔵本、杏雨書屋蔵本など各種抄本との文字の異同を校合しながら、本文の日本語訳と隋・楊上善注の読下しの原稿を作製してきた。この『太素』訳注の作成は、今年度末までに全30巻のうち最終巻をのこすのみとなり、事実上完了のはこびとなった。 2.これまでの訳注作業をとおして、各種テクストのうちでもっともよく原型を伝えていると考えられた仁和寺蔵抄本に依拠して、改めて全30巻の本文および楊上善注の定本を作成するべく、今年度はまず全文を、楊注に対応する文節ごとに原稿浄書したうえで、計算機に入力し、索引を作成する作業をおこない、その大部分を完了した。 3.計算機入力にあたって、(1)原稿浄書の過程で異体字の整理ができた、(2)多数のJEF外漢字(とくに薬名,病名,医学用語)が出現したため、『太平御覧』薬部、医部等の入力と補完し合う形での文字パタン作成の検討を始め、JEF外漢字の処理法について体系的な検討を開始した。 4.『太素』以外の関連医学資料およびそれらの各種蔵本との校合を上記と併行しておこなう予定であったが、原稿浄書・計算機入力に予想以上の経費を要したために、まず『太素』語彙索引を速やかに完成することが、文献学・史学・思想史・本草学などを含めた綜合的研究の推進にとって最大の急務であると判断し、当初計画の順序を若干変更し、計算機入力を最優先することとした。
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