研究分担者 |
新井 晋司 京都大学, 人文科学研究所, 助手 (40184254)
田中 淡 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (90000306)
赤堀 昭 昭太郎漢方製薬研究所, 所長
高島 文一 明治鍼灸大学, 教授 (70123495)
勝村 哲也 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (50066411)
AKABORI Akira Kotaro Pharmaceutical Co. Ltd., Director
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研究概要 |
われわれが中国古代医学史の研究グループを組織し, 『黄帝内經太素』をテキストに選んで研究にとりかかったのは, 『太素』の章別構成がきわめて体系的であり, 古代医学体系の把握に大きく資するところがあるだろうと考えたからである. われわれは毎週一回の定例研究会を開き, 中国の人民衛生出版社から刊行された仁和寺本の校定本をテキストに選び, 全員で会読をすすめ, 訳注を作成していったが, その過程で, 仁和寺本の写真出版および各種の写本を比較照合し, 厳密な校訂を加えて定本を作る必要のあることが, 次第に明らかになってきた. そのうえ, 定本の作成には唐初の楊上善の注が重要な意味をもつことも, 明らかになってきた. 楊注までも利用した定本の作成には, どうしても本文と注を一つに合わせた総合的な索引が必要である. こうしてわれわれの計画には, 訳注の作成にあわせて, 定本・索引の作成という第二の目的が加わることになった. 本研究補助金によって, この計画を実現することができたのである. 現在索引初稿を印刷に付する段階までこぎつけることができたが, 来年度中には定本・索引を完成して, 出版計画をたてたいと考えている. 昭和61・62年の両年度中, われわれの研究グループが発表し印刷された論文は決して多くなく, それも主として『黄帝内經』の歴史的展開を跡づけるテーマに集中している. われわれは別に『中国古代科学史論』の出版を計画しており, その中には『黄帝内經』そのものを分析した論文が数篇収録される予定である. それらの論文もこの研究成果とみなすべきものであるが, 現在のところまだ出版のための資金のめどがついていないので, 既刊の論文をもって報告とする. 研究報告書の題名は次の通りである. 報告書(1)山田慶児・勝村哲也編『仁和寺本黄帝内經太素索引初稿』, 報告書(2)山田慶児編『中国古代医学の歴史的展開』. なお報告書(1)は定本を修訂して, 定本・索引として刊行したい.
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