研究課題/領域番号 |
61300016
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研究機関 | 東京国立文化財研究所 |
研究代表者 |
伊藤 延男 東文化財研, その他, 研究員 (40124193)
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研究分担者 |
百橋 明穂 神戸大学, 文学部, 助教授 (30090377)
三浦 定俊 東京国立文化財研究所, 保存科学部, 主任研究官 (50099925)
馬渕 久夫 東京国立文化財研究所, 保存科学部・化学研究室, 室長 (30011498)
門倉 武夫 東京国立文化財研究所, 保存科学部, 主任研究官 (10000457)
江本 義理 東京国立文化財研究所, 保存科学部, 部長 (40000442)
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キーワード | 非破壊 / 彩色 / 文化財 / 現地調査 / 可搬式 / 蛍光X線分析 / X線回析 / X線エミシオグラフィー / 赤外分光分析 |
研究概要 |
1.既存可搬式X線分析装置の改良 高所に描かれた壁画や建築彩色の顔料の材質分析を完全非破壊的に行う目的をもって、東京国立文化財研究所の備品である蛍光X線分析装置とX線回析装置に改良を加えた。すなわち、両装置のうちX線発生部、檢出器及びゴニオメータを分離し、これを高所で作動しうるような装置を設計した。すなわち、まず両装置兼用のリフターを製作し、その上部に、蛍光X線分析装置のためには仰角30゜まで可能な傾斜台、XY両軸方向微動移動装置ならびに光学距離計について、問題点を檢討した上で仕様を定めた。またX線回析装置のためには、前記微動移動装置を活用するとともに、別箇の光学距離計をとりつけることとした。 なお、蛍光X線分析装置には、波長分教型とエネルギー分教型の2種があり、後者にも種々の利点が認められるが、本研究が中国奥地にある敦煌の文化財保存修復に活用することを目的の一つとしている関係上、今回は波長分教型を選択することとした。 2.同上装置による実地測定 上記の可搬式X線分析装置の改良が完成したので、実地について測定を行った。すなわち、横浜市三渓園内に所在する重要文化財天瑞寺寿塔覆堂(天文19年)の柱最上部金襴券部分(高さ土間床より約2.5m)について、測定を行った。結果は良好であったが、しかし現地測定に特有なトラブルが周辺機器に生じた。このためさらに今後の檢は、改良が必要となったところがある。 3.X線エミツショグラフィー 垂直面に撮影フィルムを密着保持できるようにするための装置を設け、製作した。4.赤外分光分析 ごく最近開発された拡散反射型の装置をさらに改良し、壁画等より直接に完全非破壊分析できるメドが立った。実際の製作は来年度に於て行う。
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