研究分担者 |
青木 清 上智大学, 生命科学研究所, 教授(所長) (70101029)
浜井 修 東京大学, 文学部, 教授 (00012360)
小泉 抑 慶応大学, 文学部, 教授 (00051087)
古川 俊之 東京大学, 医学部, 教授 (20101082)
渡辺 格 北里大学, 衛生学部, 教授 (10050858)
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研究概要 |
1,本年度はまず, 昨年度の伊豆における研究集会の結果を文書にし, これをもとにして討論を行ない, 各自訂正, 補足を行って小冊子にまとめた. ここでは主として, 今後二十一世記へ向けて生命科学, 医学などの技術が格段に進歩, 変化して行くなかで, それに見合う生命倫理研究のための基盤となるべき倫理概念の変革が論じられた. 坂本研究代表は「倫理は社会調整の技術である」として從来の観念論的倫理観の変更を提案したが, 十分な支持は得られなかった. しかし, これらの問題を討議するための新しい共通の基盤は得られたものと思う. 2.11月28日〜29日の両日にわたり, 医学者(竹内一夫,川島康生,関口守衛,〓松正実氏ら)法律学者(加藤一郎,唄孝一氏ら)の参加を得て「生命倫理研究フォーラム」を開催した. ここでは, 腦死,臓器移植,遺伝子操作という現実的課題を直接テーマとし, 人類の未来という話題でしめくくった. 今後続出すると思われるこの種の緊急重要課題に対す哲学的, 倫理的な基礎作りと具体的対応の方策などが模索された. これら討論の成果は4月上旬に報告書にまとめられる予定である. 3,本年度をもってこの研究班は一端解散するが, この班のメンバーを中核として, 今年または明年において「日本生命倫理学会」の設立準備を始める予定である. この新しい学会はこれまでのわれわれの研究の方針をうけて, 先端的であると同時に学際的なものとする. すなわち, 哲学倫理分野,生命科学・医学分野,法律学・社会学分野,宗教学・文化人類学分野の四分野からなる綜合学会とする予定である. すでにその組織化に着手している. 本研究班代表者坂本百大が学会設立準備委員会の発起人世話人代表となる予定である.
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