研究課題/領域番号 |
61301007
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
徳丸 吉彦 お茶大, 文教育学部, 教授 (00017138)
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研究分担者 |
中川 真 大阪大学, 文学部, 助手 (40135637)
山田 陽一 島根大学, 教育学部, 講師 (80166743)
山口 修 大阪大学, 文学部, 助教授 (20061583)
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キーワード | 音楽 / 記号 / 記号論 / 記号論 / パフォーマンス / 生成文法 / 象徴 |
研究概要 |
昭和61年度は、主として記号学関係の文献を批判的に検討する作業をおこなった。そこでは基本的に、対象をいわゆる音楽記号学に限定せず、広く記号学全般に目を配り、記号学の代表的な研究成果を考察するように努めた。この新しい研究分野は多様な展開をみせてきており、その諸相を全体的に把握したうえで、その文脈のなかで音楽記号学をとらえ直す必要があるからである。 実際の作業としては、記号学全般のこれまでの動向について徳丸が報告し、それにもとづいて各研究分担者がそれぞれ文献にあたり、その成果を共同研究会で検討するという形をとった。全体および分科会形式の研究会をおこない、20件近くの文献を取り上げた。これによって、記号学の理論的および方法論的基盤とその問題点に関して、ある程度の共通理解を得ることができた。来年度は、こうした共通理解をさらに深めるとともに、それにもとづいて音楽記号学のもつ可能性と問題点を整理する。そして音楽記号学の方法論を確立することをめざして、理論的考察を進めつつ具体的な音楽研究への適用を試みる予定である。 こうした作業と平行して、各人が解題を含む文献情報を整理し、コンピュータによる文献検索システムの構築にむけてデータ形式を統一するための基礎的作業をおこなった。また、これと関連してカナダの音楽記号学者ジャン=ジャック・ナティエと頻繁に連絡をとり、文献情報ならびに最近の研究成果を入手した。これらの情報に対して、さまざまな角度からアクセスできるよう、できるだけ自由度の高い検索システムを試作し、今後の人文科学系の諸領域における同様のデータ処理になんらかの貢献をしうるようなものを提示することを目指している。
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