研究課題
本年度は東北地方各域の調査に赴き、写真撮影及び調書作成による基礎データの収集をおこなった。実査した主な寺院仏像は以下の通りである。1.青森秋田野辺地町海中寺木造阿弥陀立像、下田町聖福寺金銅聖観音立像、三戸町観福寺木造十一面観音立像、悟真寺木造阿弥陀立像、南部町恵光院木造十一面観音立像、横手市正伝寺金銅聖観音立像、秋田市月桂寺(全良寺)銅造阿弥陀坐像、泉福院木造大日如来坐像2.岩手山形江差市藤里毘沙門堂兜跋毘娑門天立像、平泉町毛越寺、気仙沼市観音寺、宮古市周辺寺院、朝日村銅造釈迦如来立像、真室川町薬師堂銅造薬師如来倚像、山形市立石寺菩薩形立像、白鷹町円福寺観音菩薩立像3.宮城山形古殿町西光寺木造阿弥陀如来坐像、会津坂下町浄泉寺木造薬師如来坐像、木造日光月光菩薩立像、木造宝光虚空蔵菩薩立像、山都町泉福寺木造大日如来坐像、西会津町真福寺木造地蔵菩薩坐像、小野町無量寺阿弥陀三尊像、湯川村勝常寺天部形立像主に県指定文化財を本年度の調査対象としたため、従来それほど紹介されていない作例についても調査ができ、収集し得たデータはその意味で有意義なものとなった。また、国指定の重文である月桂寺阿弥陀如来像についてはその鋳造技法について詳しい観察をおこない、同像が優秀な技法をもって制作された事実を確認した。そのことは同像の制作時期に深く関わる問題であり、様式と技法の時代的相違について今後検討を加える必要が生まれた。次年度は、本年度に行えなかった国指定の作例について光学的方法を中心に調査を試みる計画である。
すべて その他
すべて 文献書誌 (5件)