研究分担者 |
増田 直衛 慶應義塾大学, 文学部, 専任講師 (60118510)
和氣 洋美 神奈川大学, 外国語学部, 助教授 (80122951)
野口 薫 千葉大学, 教養部, 教授 (00009367)
古崎 愛子 東京女子大学, 短期大学部, 教授 (70086263)
鷲見 成正 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (00051285)
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研究概要 |
62年度研究計画書で述べた如く、形が知覚される過程を多方面にわたる現象を実験的且つ総合的に考察し、知覚の関係系の概念から統一的な理解を試みるために、既にそれぞれの分担に従い研究が進められており現在データの収集の段階にある。 一方、61年度においては分担課題にしたがった実験計画の検討、予備実験の進行状況についての報告集会を4回(昭和61年6月21〜22日,8月12〜14日,10月13日,11月22日)にわたって開催し、討論を重ねた。特に、11月22日の第4回の集会においてはこれまでに得られた結果の検討が行われ、今後の展望がなされた。 新たに得られた知見:上述の如く、予定された実験は順調に進められているが、その過程で新たな関連現象が幾つか見いだされている。例えば、仮現運動における視覚と聴覚の共通点と相違点,透明視現象が形に於ける隣接領域間の明暗関係のみならず、多層図形のパターンにおいても見いだされ、両者の現象的共通点の吟味が行われている。 当初の研究計画の進捗状況に付いては上述の如くであるが、4回にわたる会合において、W.METZGER,盛永らの関係系理論の枠組みに限定することについての議論がなされた。特に、G.KANIZSAおよびF.METELLIらのイタリアの実験現象学的視点(いわゆるネオ・ゲシュタルト)をも積極的に採り入れ、より一層包括的な理論の構築を目指すべきである、との意見が多数の研究分担者から出され、その方向で今後検討が進められるべきとの了解が得られた。そのために、彼らとの実験結果についての意見の交換を積極的に行う必要があり、既に研究分担者の一部はトリエステ大学及びパドバ大学に赴き実験の紹介と共同研究を進めている。既に得られた実験結果の一部は、国内・国外において7編発表された。
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