研究分担者 |
町村 敬志 東京大学, 文学部, 助手 (00173774)
松本 康 東京大学, 文学部, 助手 (80173920)
鹿又 伸夫 久留米大学, 商学部, 講師
園部 雅久 上智大学, 文学部, 講師 (00154716)
森岡 清志 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (50125358)
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研究概要 |
1.通説とは異なり、高齢者が保有する社会的ネットワークは、血縁,住縁,関心縁と多彩であり、全体としての高齢者は決して孤立してはいない。 2.それらネットワークのうち、血縁のそれは高齢者を独自に支えている。 3.住縁ネットワークはコミュニティの形成の基盤になる可能性をもち、生きがいの各指標と有意の関係をもっていた。 4.因子分析の結果、老人福祉ニーズは、サービス,お金,施設の各ニーズに分割されることが判明したが、総合生活満足度との有意な関係を示したのは「お金」ニーズのみであった。 5.同じく、高齢者にとっての街の不便・危険度因子分析では、障害物が多い、歩行時に危険、街でゆっくりできないという3因子が発見された。このうち総合生活満足度と強く関連したのは「障害物が多い」という因子であり、この発見は今後のまちづくりにも応用可能であろう。 6.高齢者の生きがいの一つに家族内役割があるから、これも因子分析をおこなって、家事の担い手,小さな子供の世話,家族内責任者という因子を抽出した。これらは多くの場合、3つに分けられた生きがい指標と結びついていた。 7.3種類の家族内役割のうち、総合生活満足度と有意であったのは「家族内責任者」因子である。 8.団体参加は生きがい(旅行,テレビ,趣味)と生きがい(家族,食事,交際)との間に有意な関係をもつものの、その他の意識項目とは相関していない。 9.以上の知見をより一般化するために、本年度の東京調査と予備的な札幌調査が存在する。
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