研究分担者 |
町村 敬志 東京大学, 文学部, 助手 (00173774)
松本 康 名古屋大学, 文学部, 講師 (80173920)
鹿又 伸夫 立命館大学, 産業社会学部, 助教授
園部 雅久 上智大学, 文学部, 講師 (00154716)
森岡 清志 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (50125358)
|
研究概要 |
〈高齢者の都市アメニティについて〉 1.高齢者が認知する都市アメニティの要因として, 生活環境の評価はあまり意義をもちこえていない. たとえば, 最も関連があると思われる老人福祉施評価さえ, 小樽,久留米,札幌のいずれでも都市アメニティ要因ではなかった. 2.都市アメニティ要因要因に社会的ネットワークがあり, 集団活動の規定力が強い都市として久留米, 個人的ネットワークが有意な関連をもった都市として小樽,札幌がある. 3.コミュニティ指標とりわけコミュニティの「絖合性」は都市アメニティを高める要因であった(久留米と札幌でのデータ解析より). 4.「伝統性・歴史性の保存」は都市アメニティの要因になりえたが, 「歴史的建物・街並み保存」はその要因として認知されていない. 〈高齢者とコミュニティについて〉 1.「老いと孤独」ーは全称命問とはいえず, 豊かなネットワークを高齢者が保持する場合もある(特称命題の成立). 2.地域ネットワークが豊かな都市では, コミュニティの「認知」指標ー地域の自由な雰囲気, 地域の統合性,地域住民の協力意欲ーの評価が高まる. 3.高齢者のコミュニティ活動は, 九州・久留米では活発であったが, 北海道の二都市では低調であった. これはいわゆるアーバニズム効果に加えて, 北海道の歴史・文化を考慮する必要を感じさせる. 4.高齢者の「生活に秩序と目的」を与える生活領域は, 地域と友人関係そして社会参加があり, これらの比重が都市高齢社会では高まってくる.
|