研究課題/領域番号 |
61301024
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
宇都 榮子 専修大学, 文学部, 教授 (40060701)
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研究分担者 |
遠藤 興一 明治学院大学, 社会学部, 教授 (80062181)
井上 和子 大阪女子短期大学, 助教授 (80149559)
山田 明 共栄学園短期大学, 生活学科, 教授 (40174700)
土井 洋一 大阪府立大学, 社会福祉学部, 助教授 (20054661)
泉 順 共栄学園短期大学, 生活学科, 教授 (20071912)
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キーワード | 社会福祉実践 / 方法論史 / 児童福祉 / 司法福祉 / 地域福祉 / 民間社会福祉 / 施設史 / 処遇史 / 社会福祉従事者論 |
研究概要 |
各研究分担者はそれぞれ個別研究の一応のまとめに入ったが、補足的な調査研究も行った。定例研究会を6回開催(合宿研究会も含む)し、昨年の「社会福祉実践史研究の課題と方法」についての研究会に継続させて、「社会福祉実践史研究の方法を先行研究から学ぶ」と題して、吉田久一、小倉襄二、柴田善守、岡林重夫、一番ケ瀬康子の研究から研究方法論の摂取を試みた。各研究分担者による個別研究の内容は以下の通りである。 (1)社会福祉実践史研究を構想する上で基礎作業となる概念の検討、整理、実践活動の実態をある程度抽象化し、理念型作成の必要を感じ、そのための文献研究を行った。(遠藤興一)。 (2)精神薄弱児に対する意識的社会福祉実践の始まりである石井亮一による滝乃川学園での白痴教育、以後の白川学園、藤倉学園、桃花塾での実践営為を見ていくと第1にニーズの社会化、組織化、第2に援助過程の発展をその特徴として把握できた(山田明)。 (3)里親制度前史研究のため、特に東京養育院の育児室について、元保母、看護婦の聞き取りを行い、院外委託を生み出した施設の児童処遇の実際、院外委託をめぐる保母、看護婦の意識についてある程度明らかにできた(松本園子)。 (4)明治前半期を生きた青年小橋勝之助がいかにして育児施設博愛社設立の着想を得、構想に展開し実態的な社会事業実践に転換していったかを、彼の個人誌を資料とし内面的変化を辿り分析(西村みはる)。 (5)家庭学校職員録、発信簿に登場する人物のの社会的位置を探り、家庭学校における実践営為の持つ意味を同行者たちの側から探究(土井洋一)。 (6)東京孤児院の児童救済事業創設機動及びハリストス正教会との関係を明らかにし、明治期の社会運動とその思潮の強い影響を受けた点についても調査(丹野喜久子)。 (7)上毛孤児院初代院母金子かつ子の生活史を辿り、実践意図が明確とはいえない実践家が社会救済に関わる過程を調査(宇都栄子)。
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