研究課題
諸外国を通して見た時、審議会の在り方には多様性が認められる。この多様性は、それぞれの国の様々な政治的・社会的要因を背景とするとともに、そこで形成される教育政策の内容ならびにその実施状況を一定程度規定すると考えられる。本研究はこの規定関係を明らかにすることを目的とする。当該研究の初年度にあたる本年度は、その基礎的考察を行うために、全体として、審議会制度の概要を把握することに主眼を置いて研究を実施した。尚、本研究は、日・独・英・米の審議会制度に関する総合的な比較研究を行うものとして計画されているが、研究の必要上、日本の研究に相対的に重点を置く形で、次のように実施された(詳しくは、中間報告書を参照のこと)。まず、日本については、中央教育審議会を初めとする3つの主要な審議会に関して、その委員構成や答申内容を分析するとともに、地方における審議会の設置状況を把握するために全都道府県・政令指定都市を対象とするアンケート調査を実施した。また、更に、地方における実態を見るために、大阪府と京都府を取り上げ事例研究を行なった。次に、比較対象とする外国については、本年度は英・米・仏を検討した。まず、アメリカについてはニューヨーク州を事例として取上げ、あわせて高等教育領域での審議会行政の実態についても考察を加え、フランスについては、同国教育行政における審議会の位置づけの特殊性を解明するとともに、国民教育高等審議会の実態を明らかにした。また、イギリスについては、審議会中の審議会と言われている中央教育審議会の成立の過程を法案審議をもとに考察した。来年度は、以上をもとに総合的な比較研究に入る予定である。
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