研究課題/領域番号 |
61301040
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
羽下 徳彦 東北大, 文学部, 教授 (20086317)
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研究分担者 |
伊藤 清郎 山形大学, 教育学部, 助教授 (70113925)
藤木 久志 立教大学, 文学部, 教授 (60062585)
榎森 進 函館大学, 商学部, 助教授 (10145972)
大石 直正 東北学院大学, 文学部, 教授 (70048750)
入間田 宣夫 東北大学, 教養部, 助教授 (40004048)
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キーワード | アイヌ / 蝦夷 / 多賀城 / 秋田城介 / 平泉藤原氏 / 奥羽 / 東国 / 奥羽仕置 |
研究概要 |
本研究は奥羽を中心として北海道・北関東・北陸におよぶ北日本地域を対象とし、その中世的な特質を考究することを目的としたものである。そのためまず各地に分散して行われている研究の状況を掌握し、研究分担者間の相互理解を深めることが必要であった。 1.1986年7月に北海道で行われた函館シンポジュウムにおいて、研究発表および討論に参加することによって、当面の状況を把握することができた。ついで9月、仙台において総合的な研究打合せ会を行い、奥羽と北関東、奥羽と越後の関係に視点をおき、近年の出土遺物の考察を含めた研究を行った。北海道南部地域の調査では、道南東部が本州北部的な色彩の濃い中世の痕跡を残すのに対し、道南西部がより蝦夷地域の現実に融合した様相を残すことを知り得た。 2.この間各地域ごとに進められてきた研究成果や文献に関する情報の蒐集につとめたが、地域ごとに研究および成果発表の態様は極めて個別的分散的であって、容易には全体を掌握しにくいという現実に直面し、必ずしも十全な成果をあげるに至らなかった。 3.研究分担者全員による資料調査および史跡研究を、北奥の盛岡・八戸地域を対象として行った。その結果、中世北奥に活動した曽我氏・南部氏等の伝存文書を原本に即して検討し、写真等の形で資料を集積した。また八戸根城・九戸城跡を調査し、文献では判明しにくい地域史の理解につとめた。 4.その他、仙台・東京・弘前等において資料蒐集および研究交流を行った。また研究分担者各自においても課題に即した個別研究を行った。本研究は史跡等の現地調査および同時に行う研究交流が欠かせないことが痛感される。62年度は越後を中心に調査研究を行うと共に、北日本中世史の全体像を構築することにつとめる。
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