研究分担者 |
佐竹 昭 広島大学, 総合科学部, 講師 (00127656)
古瀬 清秀 広島大学, 文学部, 助手 (70136018)
中山 正太郎 明石工業高等専門学校, 助教授 (10141904)
頼 祺一 広島大学, 総合科学部, 教授 (50033494)
有元 正雄 広島大学, 文学部, 教授 (60079267)
|
研究概要 |
1.分担研究者共同の調査・研究 (1)瀬戸内塩業史ないし日本塩業史に関する研究史整理と今後の研究方針確定のための研究会を竹原市で開催した。そこでは次のような問題点が呈示された。まず、中世・近世初期製塩業の実態が全く明らかでないが、近世製塩業の技術発展とその社会的背景、あるいは幕藩体制による規定などを明らかにしたうえ、遡及的に迫る方法を模索してみること。次に幕末・近代における製塩業の性格規定をめぐって、農業における地主制や、日本資本主義形成の性格と対応させて理解する必要があり、これらを地域社会における具体像として描くべきであることなど。(2)全員の研究に関連する基幹的資料の調査・収集では、竹原書院図書館所蔵資料を中心に行い、塩業関係資料の総目録の作成と「竹原下市覚書」「吉井家文書」などの写真撮影・焼付を行った。そのほか、たばこと塩の博物館,赤穂塩業資料館,塩田地主野崎家などで資料調査を行い、現在の製塩業の視察として赤穂海水化学の工場見学を行った。 2.各分担研究者による部門別の個別的研究 上記1(1)の問題意識をふまえながら各分担研究者の具体的研究テーマ・対象が確定し進められた。数例のみあげておく。西畑氏は宝暦明和期の塩業合理化と労働対策,相良氏は香川県宇多津・生島・阿河塩田の経営分析,高瀬氏は能登・越後の近世初期の塩流通,中山氏は塩の流通・消費面から小豆島の醤油業,小川氏は製塩燃料としての長州藩における石炭業の展開渡辺氏は総括的な立場から瀬戸内海地域社会と製塩業のかかわり,頼氏は竹原の町人文化と製塩業,佐竹氏は塩業と塩釜信仰の特質を産業の性格の反映として位置付けるなど。このうちすでに論文として発表されたものもある。今後は再度総合化に努める。
|