研究概要 |
総合研究の目的を達成するため, 10月23日に在京の研究分担者会議を, 夏期調査の反省と全体計画の検討を目ざして12月17日には全体会議を, さらに1月20日に本年度研究のまとめと次年度計画のための研究会を開いた. この会議等に出席できなかった遠方の研究分担者とは, 研究代表者が適宜に連絡, 面会して, 研究目的と実施計画の徹底をはかった. 本年度の研究実績につき・I.東京での調査研究活動, II.地方における調査研究活動の二点に分けて述べる. 第I点に関しては(1),前年度に『寛政重修諸家譜』,『徳川実紀』等から収集した江戸幕府職制関係史料の整理とその表作成,(2)同じく前年度よりの作業によって作成した三河関係中世古文書目録と, 内閣文庫所蔵史料との照合による未収集文書の抽出. このさい未収集古文書はすベてマイクロ写真とした. 以上の(1),(2)が主たる作業であった. 第II点に関しては, (1),滋賀県野洲郡中主町安治区有文書の調査と安治区の民俗調査, (2),(イ),愛知県新城市, (ロ)同県豊橋市,豊橋市, (3)茨城県東海村, 水戸市, 栃木県宇都宮, などの関連史料を調査した. (1)は典型的郷村制を展開させた地域の信長政権・豊臣・初期時川政権の農政史料と宮座関係史料, (2)は中世から近世初頭にかけての松平・徳川氏関係史料, (3)は, 家康の関東転封以降, 寛永期ころまでの幕政史々料と, その農政と関係づけるための地方史料の採集を目ざしたものである. いずれも前年度からの継続調査で, なお調査と, 収集整理作業においては, 研究分担者が, 適宜, 補助員として大学院学生, およびそのO.Bを依頼し, 監督指導しながら実施した. 第I点に関しては, さすがに新発見史料は少なかったが全体的な整理を進めつつあり, 第II点に関しては, 次年度に安治区有文書を中心に公刊の準備を進めつつある.
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