研究課題/領域番号 |
61301046
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
福井 重雅 早稲田大, 文学部, 教授 (30063639)
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研究分担者 |
近藤 一成 早稲田大学, 文学部, 助教授 (90139501)
吉田 順一 早稲田大学, 文学部, 教授 (70063716)
藤家 禮之助 東海大学, 文学部, 教授 (60055738)
長澤 和俊 早稲田大学, 文学部, 教授 (60083333)
古賀 登 早稲田大学, 文学部, 教授 (90063304)
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キーワード | 東アジア世界 / 冊封体制 / 国際関係 / 文化交流 / 中華思想 |
研究概要 |
東アジアの歴史を中国を中心にしてトータルに理解しようとする所謂「東アジア世界史観」は、今日まで学界に多くの貢献をしてきたが、一方では、この史観の根幹である「中国冊封体制論」に再検討の必要性が指摘されつつある。本年度は、そうした冊封体制論に対する再検討を総合的に試みるための基礎的作業として、次の点を中心に研究を進めた。 1.基本的研究方針について (1)東アジア史上の国際関係や文化交流が中国を中心として展開されてきたことは確かであるが、その個々の形態を見ると、例えば中国の北方と南方とでは著しい差異のあることが認められてくる。そこでまず、中国と関係をもった諸外国・諸民族を地域的に東・西・南・北に分類し、それらの地域と中国との政治的関係や文化交流のあり方について、具体的に個々の問題点を抽出した。(2)各地域の国家や民族が中国との関係において事実上は独自の形態を有していた一方で、中国の朝廷には中華思想に基づいてそれらすべてを統括する基本理念が存在していたことも、また事実であると思われる。したがって、(1)と同時に、中国各王朝の法令等にそうした中国側の理念をさぐり、それが地域や時代等の状況変化によってどのように修正されるのかを追求した。 2.基礎史料および関係資料の収集・整理 上記の研究方針を確認しつつ、研究分担者がそれぞれの問題点に関する基礎資料を収集・整理し、またそれらの問題点が特に東アジア世界史観や冊封体制論の中で従来どのように位置づけられてきたかを調査するために、これまでの関係論文を収集・整理した。
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