研究課題/領域番号 |
61301049
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
池田 忠生 愛媛大学, 教養部, 教授 (70046192)
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研究分担者 |
重岡 保郎 愛媛大学, 法文学部, 教授 (90097460)
岡本 明 広島大学, 文学部, 助教授 (90025057)
佐藤 眞典 広島大学, 学校教育学部, 教授 (90033654)
石川 勝二 愛媛大学, 教育学部, 教授 (60036390)
向山 宏 広島大学。文学部, 教授 (00087818)
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キーワード | 国家 / キリスト教 / ローマ帝国 / 12世紀ルネサンス / 主権 / イギリス内乱 / ボナパルティズム / 帝国主義 |
研究概要 |
西洋における各時代の時代状況さらには地域的状況に対応して、それぞれの歴史家や歴史的叙述を残した政論家が、どのように国家の問題を構想し、提言したかについて、各研究分担者は62年度に引き続いて研究を進めてきた。今年度の概要は、研究分担者のうち前年度における研究と視角を異にした者について報告し、さらに前年度においては概要報告の力点が古代・中世に置かれていたので、近・現代に重点を置く。62年度概要報告においては、池田は前386年の王の平和と377年の第二次アテナイ海上同盟の成立を関係づけることを試みた。しかし、新たな問題となったのは、ペルシア王の主導下に締結された王の平和と、それを基軸にした377年の同盟、そしてアテナイの帝国家に対して起った同盟戦争に際して、政論家イソクラテスはアテナイの対外政策を、その歴史的叙述に基づいて如何に構想したか、である。近・現代史については、野嶌は、17世紀イギリスにおける3王党派と議会派両派の政治思想と深くかかわったイギリス史論の「古来の国制」論を取りあげて。ウィリアムI世の即位を正統な王位継承権によるものか、これを征服として認識するかという、政治的色彩の濃い歴史観の対立を考察の対象として、イギリス17世紀における歴史叙述の問題の研究を進める。岡本は、モンテスキュー『法の精神』が歴史上の各政体のもつ固有の目的や運動方向、各政体の適合的原理や要素を摘出し、崩壊原因を探ろうとしているとして、この視点から『法の精神』と18世紀フランスの国家との関係を考察している。平田は、19世紀イギリスの自由主義体制国家の政策の「消極性」を主張する通説に対して、その「積極的な」政策の展開を強調する。重岡は、グラムシの獄中ノートを手がかりに、イタリア統一国家形成期の諸問題が現代イタリアに及ぼした影響を論じたグラムシの国家論を対象としている。
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