研究課題
総合研究(A)
本研究の目的は、抵当制度につき、(1)実際取引で生じている問題点を調査し、(2)その問題の原因を立法過程まで遡って考え、(3)更には母法の当事の状況そしてその後の発展を調べるというものであった。先ず、(1)の目的で、東京及び大阪の企業に対しアンケートをしその解答を分析することにした。初年度はそのアンケート作りをなし、次年度は回答から分析する前提としてコンピューターに入力するための種々の作業を行ない最終年度は具体的な分析を行ない、それを一冊にまとめるための検討会を開いた。1000件程度のアンケートに対し、400近くの企業が回答してくれたため、かなりの回収率となり、企業の関心が知れると共に、かなりまじめに回答を頂いており、その分析結果の提供する資料的価値は大きいものと思われる。(2)及び(3)は、初年度から(1)と併行して進め、先ずわが抵当法の立法過程の議論を掘り下げて検討し、そこからわが法の母法を探し出し、母法でどのような問題がありどうしてわが国に導入されたのかを、立法過程と絡めて検討した。その結果、これまで研究されていない点が発見されたものも多くあり、成果は大きいものといえる。上記(2)(3)そして(1)については、(社)商事法務研究会より出版をはじめより符束しており、原稿もほぼでそろっている。そして、これを基礎として今後は将来係の検討が必要となるが、これも併せて出版の予定である。従って、研究成果は一括して出版するため、これまで個別的には公にしていない。