研究分担者 |
片岡 尹 大阪市立大学, 商学部, 助教授 (20047393)
森澤 恵子 大阪市立大学, 経済研究所, 講師 (60137180)
金 泳鎬 大阪市立大学, 経済研究所, 助教授 (40177910)
中川 信義 大阪市立大学, 経済研究所, 教授 (70047158)
本多 健吉 大阪市立大学, 経済学部, 教授 (10047003)
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研究概要 |
アジア新工業化と日本経済との相互依存に関する本研究課題の成果は、1.投資・貿易・経済協力・金融および旧工業化との比較など新工業化の問題別考察、2.韓国・台湾・香港など東アジア新興工業国やASEAN4ヵ国など地域別考察に二大別される。1に関する研究成果としては、本多が新興工業国問題の接近視角を理論的に整理し、アジア新工業化とは何かという問題に対して理論的出発点を用意した。金は韓国の技術追跡経路のケースを中心に中心部から周辺部への技術移転のはらむ問題として二重ギャップすなわち移転国側の低技術移転による低転換と受入国側の低技術水準にもとづく未習熟の2つのギャップの存在を確認している。 2の研究成果としては、中川が韓国における外国直接投資と多国籍企業の実証研究を通して日米多国籍企業の年度別・投資比率別にみた進出業種の間の共通性と差異や市場行動の実態などを分析している。また、劉は1960年代以降の台湾の開放体制下における日本企業の進出に伴う台湾の電子産業の発展状況の分析を通して韓国,香港,シンガポールなどの東アジア新興工業国との競争激化、日台,米台間貿易摩擦などの問題点と将来の展望を解明している。以上の諸研究の他に、金の新工業化の政治経済学,中川の幹国経済,劉の台湾経済,杉谷の香港経済,古澤の中国経済,平川のシンガポール経済,森澤のフィリピン経済,西口のインド経済,奥村のアジアにおける日米資本競争についての研究が、各々アジア新工業化の展開という角度から深められており、来年度にむけて、アジア新工業化の展開という共通のテーマのもとに一冊の著作としてとりまとめるべく準備中である。
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