研究課題/領域番号 |
61301079
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
桧田 信男 中央大学, 商学部, 教授 (90083633)
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研究分担者 |
堀江 正之 日本大学, 商学部, 専任講師 (70173630)
涌田 宏昭 東洋大学, 経営学部, 教授 (20057962)
三澤 一 成蹊大学, 経済学部, 教授 (60054285)
森 實 神戸大学, 経営学部, 教授 (70035913)
大矢知 浩司 青山学院大学, 経営学部, 教授 (40024921)
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キーワード | システム監査技術者 / プログラムド・コントロール / 論理的コントロール / コンピュータ利用監査技法 / ITF法 / 並行シミュレーション法 / 組み込み監査データ収集法 / 情報システム監査の実態 |
研究概要 |
本研究グループでは、すでに2年間にわたって情報システム監査に関する問題点の理論的検討をすすめてきたが、昭和63年度はこれを踏まえて、わが国における情報システム監査の実情を把握・分析することとした。調査は、東証1部上場会社を中心に合計1250社に対して昭和63年8月末日現在の状況をアンケート方式によって行った。この調査結果の詳細については別途『会計ジャーナル』誌1989年3月号にて公表したが、この調査研究によって得られた主たる知見を要約すれば次のようになる。 1.情報システム監査(以下、単に監査と略称)の実施率は約20%、その実施主体別内訳ではシステム監査技術者等の一定の技能要件を備えた専門家が担当しているケースが約15%で、他の85%は内部監査部門員等によるものであり、監査内容をより充実させるためには専門家の養成が急務であること。ただ、監査は実施していないが、これに代わる何らかのチェック体制を約30%が採用しており、これは今後監査の実施へと展開される可能性をもっている。 2.情報システムに係るコントロールの整備状況については、全般的に不備な状況が明らかになった。多くが組織上・手続上のコントロールにのみ重点を置いており、情報システムへのコントロールの組み込みは軽視されている。最近のシステム・ダウンやコンピュータ犯罪の多発傾向にかんがみるとき、プログラムド・コントロールや論理的コントロールがより重視される必要がある。 3.利用されている監査技法では、いわゆるコンピュータ利用監査技法と伝統的監査技法とが、おおよそ1対5の割合となった。とくにITF法、並行シミュレーション法、組み込み監査データ収集法等の強力な立証手段の利用率の低さは、専門家技能者による監査実施率の低さと合わせ今後の課題として残る。
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