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1986 年度 実績報告書

宇宙の大規模構造の起源と進化

研究課題

研究課題/領域番号 61302012
研究機関東京大学

研究代表者

池内 了  東大, 東京天文台, 助教授 (90025461)

研究分担者 中村 卓史  京都大学, 理学部, 助手 (80155837)
松田 卓也  京都大学, 工学部, 助教授 (20026206)
富田 憲二  広島大学, 理論物理学研究所, 助教授 (90034610)
松本 敏雄  名古屋大学, 理学部, 助教授 (10111824)
小平 桂一  東京大学, 東京天文台, 教授 (60012845)
キーワード宇宙の大規模構造 / 銀河形成 / 暗黒物質 / 宇宙黒体輻射 / 無衝突粒子 / 二体相関関数 / 密度ゆらぎ
研究概要

1.宇宙初期に期待される、宇宙の急速な膨張過程(インフレーション)と相転移の間の関係を、多次元宇宙モデル・カルツァクラインモデル等で調べ、その結果得られる密度ゆらぎの性質・スペクトルについて計算された。一般的には、スケールフリーの断熱ゆらぎが卓越するが、特別な条件下では、等曲率ゆらぎも発生しうる。これらのモデルの背景にあるゲージ不変な場の理論の構築が次年度の課題である。
2.暗黒物質も含め、密度ゆらぎの成長過程の数値シミュレーションがなされた。物質の主成分が非相対論的となり、物質卓越の時代になると共に密度ゆらぎが成長し始める。初期に等曲率ゆらぎを仮定しておいても、時間と共に曲率ゆらぎが発生してくるため、温度のゆらぎもひきおこされる。これが宇宙黒体輻射の一様性と矛盾しないという条件から、初期の等曲率ゆらぎの大きさに制限がつく。さらに、無衝突粒子の乱雑運動のため小さいスケールのゆらぎが消えてゆく。熱い粒子と冷い粒子が混存している場合、いったん熱い粒子の乱雑運動で消えかかったゆらぎも、冷い粒子の重力不安定によって成長してくることがわかった。その結果、銀河の誕生に時間の遅れが生ずることも明らかにされた。
3.この間に放出された輻射の強度分布、一様性を計算し、観測と比較したそれにより密度ゆらぎの大きさへの重要な制限が得られた。又、宇宙における銀河の大局分布について、(1)二体相関関数、(2)パーコレーション理論に基づくクラスター解析、(3)最近接銀河分布等の方法を導入し、定量的解析を進めつゝある。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 池内了: The Astrophysical Journal. 312. (1987)

  • [文献書誌] 岡村定矩: Proceedings of the Japan-France Seminar at Sendai. 1. (1987)

  • [文献書誌] 富田憲二: Physical Review. D34. 3750-3583 (1986)

  • [文献書誌] 吉村太彦: Physical Review. D34. 1021-1032 (1986)

  • [文献書誌] 松田卓也: Monthly Notices Royal Astronomical Society. (1987)

  • [文献書誌] 小平桂一: Publications of Astronomical Society of Japan. (1987)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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