研究課題/領域番号 |
61302014
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
板橋 清己 東北大学, 理学部, 教授 (20004260)
|
研究分担者 |
山脇 幸一 名古屋大学, 理学部, 助手 (90135301)
並木 美喜雄 早稲田大学, 理工学部, 教授 (80063288)
寺沢 英純 東京大学, 原子核研究所, 助教授 (80092279)
岩崎 洋一 筑波大学, 物理学系, 教授 (50027348)
岩田 健三 北海道大学, 理学部, 助教授 (40000773)
|
研究期間 (年度) |
1986 – 1988
|
キーワード | 非摂動効果 / 有効理論 / 格子ゲージ理論 / 弦理論 / 複合モデル / 隠れた局所対称性 / 確率過程量子化 / QCD相転移 |
研究概要 |
当初幾つかの重点課題を設定、分担者の相互連絡のもと各課題での成果の批判的総合を目ざして研究を進めた。以下課題ごとにその成果を報告する。 格子ゲージ理論。これは、次の弦理論と共に、非摂動効果の結果たる低エネルギー・ハドロン相でのQCD有効理論と目されるものである。岩崎らのグループがこれに精力的に取組み、繰込群を考慮した改良型格子理論を提出、それに基づきクェンチ近似のもとでハドロン質量を系統的に計算した。 弦理論。九後グループは相対論的に共変な形で相互作用をしている弦のゲージ不変な場の理論を構成、更にその際作用積分といてΦ^3相互作用項のみから出発してもよいことを示した。吉川らはこのΦ^3理論が真の意味で時空構造と物質相互作用を統一する理論としての資格を持つことを論証した。その他ヘテロティック弦模型、オービフォルド・コンパクト化等でも幾つかのグループが成果をあげた。(小平、井上、北添、窪田、安井、内藤ら。) 複合場及び場の理論一般。山脇らは「隠れた局所対称性」に基づく複合ゲージボゾンの理論及びテクニカラー模型の研究を行い、総合報告を公刊。複合模型については寺沢らも独自の理論を展開、多数の論文を発表した。場の理論一般、非平衡系の場の理論による記述及び場の理論のトポロジカルな側面等の研究もそれぞれ進展した(横山、堀、小嶋、渡辺、板橋ら)。 確率過程量子化。並木らが精力的に研究、多数の論文を発表した。この量子化法の見地からのアノマリーの分析は並木らの他に荒牧らも行った。 現象論的分析。岩田らは重から軽に至るメゾン質量の系統的分析に基づいてqq^-有効ポテンシャルを求めた。並木らはQCD相転移に対する半現象論的理論を提出。ニュートリノ現象論でも成果があった(高杉、渡辺ら)。 以上、相当の成果と自負しているが、これを踏台に今後も非摂動世界の物理現象の解明に努力を続ける所存である。
|