研究分担者 |
石井 輝秋 東京大学, 海洋研究所, 助手 (80111582)
黒田 直 静岡大学, 理学部, 助教授 (60021903)
浦野 隼臣 愛知教育大学, 第二部, 教授 (50023990)
永尾 隆志 山口大学, 理学部, 助手 (40136164)
松本 〓夫 山口大学, 理学部, 教授 (30039763)
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研究概要 |
1.伊豆マリアナ弧の高マグネシア安山岩の研究 研究代表者白木および分担者黒田・浦野は前年度にひき続いて小笠原諸島父島・兄島を調査した. 父島では南西部にTiに富む火山岩,石浦の層状岩脈群を詳しく調べた. 後者はオフィオライトにみられる層状岩脈群と全く同じであることが確認され,父島・聟島は海洋リソスフェアの上部が海上に現われているものと考えた. これは'87年10月キプロス島イコシアで開かれた"Troodos 87"シンポジウムおよび'87年12月の学術ボーリング候補地集会で発表した. 小笠原諸島はモホールの最も有望な地点である. 黒田・白木・浦野は世界的にも極めて珍らしい輝石であるフェロピジョン輝石の研究結果を"Contributions to Mineralogy and Pitrology"に投縞し受理されてた. 2.瀬戸内地域の高マグネシア安山岩の研究 白木ほかによって大量の高マグネシア安山岩の存在が明らかにされた山口県屋代島周辺では,さらに八島・祝島にも多量の高マグネシア安山岩が分布することが明らかになった. また,宝津半島皇座山ではMg値90,Cr_2O_31%以上をもつ斜方輝石斑晶および斜方輝石岩団塊をもつ火山岩が発見された. 3.その他地域の高マグネシア安山岩の研究 岐阜県美濃加茂市蜂屋層の高マグネシア安山岩についてEPMA分析を行った結果,Cr_2O_349.6%のクロマイテ,Mg値88の単斜輝石,同81の斜方輝石が見出され,本安山岩はかなり未分化の高マグネシア安山岩であることを確認した. 本安山岩は瀬戸内火山岩との関係が興味深い. 白木・松本は琉球列島西表島の始新世由布火山岩中の高マグネシア安山岩に,斜方輝石・ビジョン輝石・サブカルシック普通輝石・普通輝石の順に,Mg/Feの減少につれCaの増加する輝石晶出径路を見出した. これは無人岩を除く地球上の岩石から初めての例である.
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