研究課題/領域番号 |
61302028
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研究機関 | 橘女子大学 |
研究代表者 |
千地 万造 橘女大, 文学部, 教授 (80110039)
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研究分担者 |
高柳 洋吉 東北大学, 理学部, 教授 (70004299)
西村 進 京都大学, 理学部, 助教授 (40026802)
小泉 格 大阪大学, 教養部, 助教授 (20029721)
糸魚川 淳二 名古屋大学, 理学部, 教授 (90022566)
広岡 公夫 富山大学, 理学部, 教授 (30029467)
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キーワード | 西南日本の時計廻り廻転 / マングロープ沼貝類群集 / マングロープ沼花粉群集日本海の形成 / 古地磁気偏角 / Dentilopsis praelauta Zone. |
研究概要 |
古地磁気偏角の測定により日本海の形成に伴って能登・佐渡を含めた東北日本全体はわずかに(約18゜)反時計廻りに、西南日本は大きく(約40゜)時計廻りに廻転したことが明らかにされて来たが、その時期についてはこれまで火山岩類の放射年代によって推定され16Maから14Maまでの間の短い期間であろうとされて来た。本研究では日本海形成の初期に起った地史的イベントに焦点をあて、廻転の時期を推定するとともに最初の海進がどのような状況の下でおこったかを明らかにすることと、東北日本と西南日本のブロックの範囲を確定するため、金沢・浅野川地域および大聖寺地域において生層序学的サンプリングに並行して古地磁気測定用試料のサンプリングを行った。現在までの微化石分析と古地磁気偏角の測定結果によれば、当地域は西南日本ブロックに属し、時計廻りの廻転をしたことが明らかになった。またそれを示す試料はすべてケイソウ生層序のDenticulopsis praelauta ZoneからD.lautaZone最下部に属し、また浮遊性有孔虫生層序ではBlowのN.8の中部に属し、放射年代では15.5Ma〜16Maである。したがってこの時期には西南日本ブロックは未だ廻転しておらず、廻転は15Ma以後におこったことになる。これまでに日本海沿岸各地のいわゆる中部中新統から報じられてきた熱帯性のマングローブ沼貝類群集および花粉群集はすべて廻転以前のこの時期のものである。またこの群集は現在のところ、日本海域の中新統で最初の海進を示すものであって、この海進は西南日本ブロックの廻転によるものでないことが明らかになった。 昭和62年1月30日に行われた日本古生物学会年会シンポジウム「新第三紀生物群の進化・変遷とそれに関連する事件」において本研究の成果の1部を発表した。その講演記録は研究成果として近く印刷公表する予定である。
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