研究課題/領域番号 |
61302028
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研究機関 | 橘女子大学 |
研究代表者 |
千地 万造 京都橘女子大学, 文学部, 教授 (80110039)
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研究分担者 |
林田 明 同志社大学, 工学部, 助教授 (30164974)
小笠原 憲四郎 東北大学, 理学部, 助手 (20110653)
糸魚川 淳二 名古屋大学, 理学部, 教授 (90022566)
土 隆一 静岡大学, 理学部, 教授 (60021929)
広岡 公夫 富山大学, 理学部, 教授 (30029467)
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キーワード | 日本海の形成・拡大 / 西南日本の廻転移動 / 西南日本の平行移動 / 東北日本の廻転移動 / マングロープ沼貝類群集 / マングロープ沼花粉群集 / 日本新第三紀古地理図 / 熱帯性海洋事件 / 古地磁気偏角 |
研究概要 |
日本海の形成期における古地理・古環境の変遷を、日本の主要地域の新第三系の生層序基準面による対比・化石群集からえられる古環境情報・古地磁気偏角による各ブロックの廻転量等をもとに推定し、各時期の古地理図を作製した。17Maでは西南日本の主部は34°N、129°Eを極として、47°反時計廻り、東北日本(棚倉構造線以北)は44°N、146°Eを極として、47°時計廻りに移動させた位置にあり、現在日本海底に認められる大陸塊と共にユーラシア大陸の1部を形成していた。ここには海水域はなく、NE-SW方向にのびる淡水域が存在していた。日本の新第三系で初めて海成層が認められるのは16Maである。この海は熱帯性の暖海で、古瀬戸内海および日本海側では39°N、大陸側では41°Nに及ぶ地域でマングロープ沼貝類・花粉群集が認められる。この時期の古地磁気偏角は西南日本では17Ma期と差異がなく、東北日本では平均-29°である。したがって東北日本はすでに廻転をはじめ、西南日本は大陸塊と共に平行移動に近い運動によって初期日本海が形成された。この海は熱帯性の暖い多島海であった。日本海の拡大は14Maでほぼ完了したとみられる。15Maの残留磁気偏角は西南日本で約25°東北日本で約-14°を示し、両地域とも廻転途上とみられる。したがって15Ma期の古位置は、34.65°E、130.65°Nを極として西南日本を反時計廻りに25°、東北日本を上記と同じ極のまわりに14°時計廻りに移動して推定した。この時期には16Ma期の熱帯性海流は消え、温帯性となり、日本海拡大に伴って局地的な深化が進行したことが認められる。
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