1986 年度実績報告書

強誘電性液晶の構造と分子運動

研究課題

研究課題/領域番号	61302031
研究機関	東京工業大学
研究代表者	福田敦夫東京工大, 工学部, 教授 (10013484)
研究分担者	赤羽正志長岡科学技術大学, 工学部, 助教授 (10016793) 竹添秀男東京工業大学, 工学部, 助教授 (10108194)
キーワード	強誘電性液晶 / 表面安定化状態 / スイッチング過程 / 配向制御 / 分子設計
研究概要	SmC強誘電性液晶(FLC)の表面安定化(SS)状態につき、共同して緊密な連絡のもとに研究を行った。討論の場としては、第11回国際液晶会議(バークレー、USA、1986年7月)、第12回液晶討論会(名古屋、1986年10月)、および第34回応用物理関係連合講演会(東京、1987年3月)の他、本年1月には本総合研究班の研究会をもった。艸林はSmC相の出現と分子構造との関係を追及し、吉野は1mC/【m^2】程度の自発分極を示す分子構造を明らかにした。配向制御に関しては、内田による2方向ラビング法、宮下・女川による蒸着法が試みられ、セル特性が電気・光学的手法により検討された。温度勾配法により作製されたセルの欠陥構造は、福田・竹添により研究され、内田および宮下・女川の結果とある程度の共通性が認識されたけれども、ラビング法,蒸着法,温度勾配法による差異の詳細は今後の検討課題である。スイッチングの弾性論的な数値解析は、石橋(析原)および赤羽(中川)によって行われて、ドメイン壁の成長過程や自発分極の影響などが明らかにされ、実験的には光透過応答が小林により検討された。しかし、福田・竹添によるストロボ写真観察との比較は、お互いに描いているSS状態の構造が微妙に異なっているので、行われなかった。詳細は今後の研究課題であり、好村による高分解能X線回析実験によりスメクチック層の変形が明らかにされることを期待したい。物性測定法に関しては、竹添・福田が粘性の絶対値決定法を提案し、今崎・甲斐は自発分極のセル厚依存性について議論した。甲斐・今崎はSmC相より固い相のスイッチングを実験的に研究し、また、SS状態についてではないが、木村(山下)は電場によるらせん構造の消滅機構を理論的に、丸山はSmA-SmC*相転移におけるゆらぎの重要性を実験的に検討した。

研究成果
(20件)

すべてその他

すべて文献書誌 (20件)

[文献書誌] T.Uchida;S.Miyazaki;M.Matsuda and Y.Shibata: llth Int.Liq.Cryst.Conf.M-043-AP. (1986)
[文献書誌] H.Seki;T.Uchida and Y.Sibata: Mol.Cryst.&Liq.Cryst.138. 349-365 (1986)
[文献書誌] M.Nakagawa and T.Akahane: J.Phys.Soc.Japan. 55,No.5. 1516-1522 (1986)
[文献書誌] T.Akahane and M.Nakagawa: Jpn.J.Appl.Phys.25,No.8. L661-L663 (1986)
[文献書誌] M.Nakagawa and T.Akahane: J.Phys.Soc.Japan. 55,No.12. 4492-4499 (1986)
[文献書誌] 折原宏,石橋義弘: フィジクス. 7,No.10. 626-632 (1986)
[文献書誌] Y.Ishibashi and H.Orihara: J.Phys.Soc.Japan. 55,No.7. 2315-2319 (1986)
[文献書誌] 木村初男: 高分子論文集. 43,No.4. 177-183 (1985)
[文献書誌] H.Kimura and H.Nakano: J.Phys.Soc.Japan. 54,No.5. 1730-1736 (1985)
[文献書誌] H.Kimura and H.Nakano: J.Phys.Soc.Japan. 55.No.12. 4186-4193 (1986)
[文献書誌] Y.Matsuda and M.Yamashita: Prog.theor.Phys.73,No.5. 1261-1263 (1985)
[文献書誌] M.Yamashita and O.Tamada: J.Phys.Soc.Jpn.54,No.8. 2963-2969 (1985)
[文献書誌] M.Yamashita: Prog.Theor.phys.74,No,3. 622-625 (1985)
[文献書誌] M.Yamashita: Prog.Theor.Phys.74,No.4. 912-914 (1985)
[文献書誌] M.Yamashita: JPn.J.Appl.Phys.24,Suppl.24-2. 884-886 (1985)
[文献書誌] M.Yamashita: J.Phys.Soc.Jpn.76. (1987)
[文献書誌] S.Kai;S.Wakabayashi and M.Imasaki: Phys.Rev.A. 33,No.4. 2612-2620 (1986)
[文献書誌] 甲斐昌一: 固体物理. 21,No.7. 429-440 (1986)
[文献書誌] S.Kai;S.Higaki;M.Imasaki and H.Furukawa: Phys.Rev.A. 35,No.1. 374-379 (1987)
[文献書誌] 山下護: "液晶相転移とソリトン(物理学最前線15)" 共立出版, 156-216 (1986)

1986 年度 実績報告書

強誘電性液晶の構造と分子運動

研究代表者

福田 敦夫 東京工大, 工学部, 教授 (10013484)

研究成果

[文献書誌] T.Uchida;S.Miyazaki;M.Matsuda and Y.Shibata: llth Int.Liq.Cryst.Conf.M-043-AP. (1986)

[文献書誌] H.Seki;T.Uchida and Y.Sibata: Mol.Cryst.&Liq.Cryst.138. 349-365 (1986)

[文献書誌] M.Nakagawa and T.Akahane: J.Phys.Soc.Japan. 55,No.5. 1516-1522 (1986)

[文献書誌] T.Akahane and M.Nakagawa: Jpn.J.Appl.Phys.25,No.8. L661-L663 (1986)

[文献書誌] M.Nakagawa and T.Akahane: J.Phys.Soc.Japan. 55,No.12. 4492-4499 (1986)

[文献書誌] 折原宏,石橋義弘: フィジクス. 7,No.10. 626-632 (1986)

[文献書誌] Y.Ishibashi and H.Orihara: J.Phys.Soc.Japan. 55,No.7. 2315-2319 (1986)

[文献書誌] 木村初男: 高分子論文集. 43,No.4. 177-183 (1985)

[文献書誌] H.Kimura and H.Nakano: J.Phys.Soc.Japan. 54,No.5. 1730-1736 (1985)

[文献書誌] H.Kimura and H.Nakano: J.Phys.Soc.Japan. 55.No.12. 4186-4193 (1986)

[文献書誌] Y.Matsuda and M.Yamashita: Prog.theor.Phys.73,No.5. 1261-1263 (1985)

[文献書誌] M.Yamashita and O.Tamada: J.Phys.Soc.Jpn.54,No.8. 2963-2969 (1985)

[文献書誌] M.Yamashita: Prog.Theor.phys.74,No,3. 622-625 (1985)

[文献書誌] M.Yamashita: Prog.Theor.Phys.74,No.4. 912-914 (1985)

[文献書誌] M.Yamashita: JPn.J.Appl.Phys.24,Suppl.24-2. 884-886 (1985)

[文献書誌] M.Yamashita: J.Phys.Soc.Jpn.76. (1987)

[文献書誌] S.Kai;S.Wakabayashi and M.Imasaki: Phys.Rev.A. 33,No.4. 2612-2620 (1986)

[文献書誌] 甲斐昌一: 固体物理. 21,No.7. 429-440 (1986)

[文献書誌] S.Kai;S.Higaki;M.Imasaki and H.Furukawa: Phys.Rev.A. 35,No.1. 374-379 (1987)

[文献書誌] 山下護: "液晶相転移とソリトン(物理学最前線15)" 共立出版, 156-216 (1986)

1986 年度実績報告書

福田敦夫東京工大, 工学部, 教授 (10013484)