研究課題
高温における各種機器の設計においては、塑性変形およびクリープ変形を単独に考えるのでは不十分で、それらの相互作用下の非弾性構成式を用いた解析および寿命評価を行う必要があるとの立場から、当研究グループでは日本材料学会高温強度部門委員会非弾性解析調査作業グループと有機的関連をもちながら研究を行っている。単軸応力下の構成式の評価および寿命推定については、一応の作業が終ったため、本研究では多軸応力下についての共同研究を続けている。これまでに得られた研究結果は次のとおりである。1.多軸応力下の挙動を記述することのできる塑性-クリープ相互作用を考慮した非弾性構成式調査を行い、その中から10種類を選択してベンチマーク解析の準備を行った。2.そのための材料定数を決定するための基礎共同実験を終了し、各構成式による多軸応力下の解析が可能となった。3.非弾性変形については、引張(圧縮)および捩りの組合せ応力下のベンチマーク問題を設定した。すなわち、(【I】)引張または捩りの基礎…3問題25条件、(【II】)塑性-クリープ相互作用…2問題10条件、(【III】)組合せ繰返挙動…3問題5条件、(【IV】)組合せラチェット挙動…2問題2条件である。4.疲労-クリープ寿命評価法について調査を行いその中から6種類の方法を選択し寿命評価の解析の準備を行った。5.組合せ応力下の疲労-クリープ寿命に対するベンチマーク問題を設定した。すなわち(【I】)同位相の挙動…2問題2条件、(【II】)位相差の挙動…2問題2条件である。6.以上について逐次解析の結果が各分担者から提出されその評価を行った。7.実験の検証は、研究代表者の機関が電気油圧サーボ式引張圧縮捩り疲労試験機を設置し、逐次作業を行った。
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