研究課題/領域番号 |
61302043
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
赤崎 正則 九大, 国立大学(その他), 教授 (30037676)
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研究分担者 |
金子 正光 九州大学, 工学部, 助手 (30136519)
原 雅則 九州大学, 工学部, 教授 (30039127)
堀井 憲爾 名古屋大学, 工学部, 教授 (70023223)
原田 達哉 佐賀大学, 工学部, 教授 (10183568)
河野 照哉 東京大学, 工学部, 教授 (30010705)
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キーワード | 空間電荷 / 長ギャップ / 空間電荷電界 / 限界空間電荷理論 |
研究概要 |
空間電荷の正確な測定と制御は放電の利用ならびに放電理論の開発において大切な研究課題である。しかし、この空間電荷の挙動を正確に測定することは測定センサーの放電空間への導入が放電現象に及ぼすために多くの因難を伴う。本研究は、空間電荷の挙動を定量的に把握してこれを制御する技術を開拓するとともに、最近長ギャップの放電電圧推定法として注目されている限界空間電荷理論を含めた長ギャップ放電理論を空間電荷の見地から検討することを目的として計画された。本年度は研究メンバーをAからEまでの5つのグループに分け、主に、コロナ,火花,雷における空間電荷の挙動及び電荷分布の推定法について各個研究の形で推進した。提案された空間電荷の測定法の主なものは、1)放電の初期過程に対しては、負空間電荷の離脱とラウエプロットの関係から負イオン分布を推定する方法、2)放電光の分光、電子エネルギー分布の関係から放電路中の電子密度を推定する方法、3)コロナ光の画像処理によって空間電荷の広がりを推定する方法、4)電荷図と電流パルスから空間電荷の詳細な分布を推定する方法、5)針端コロナ電流特性から雷雲内の電荷分布を推定する方法などである。さらに、空間電荷を考慮した高速電界計算法を提案し、高密度空間電荷形成条件下における放電の進展過程(制御された条件下の放電)が調べられた。これらの成果は昭和62年2月7日(土)に名古屋市内の電気文化会館にてシンポジウムの形式で公表・検討された。本年度は各個研究の推進に力点を置き、成果を持ち寄って高い密度の検討会を行うこととし、報告書の製本は行わなかった。しかし、持ち寄った成果の報告書は合計110ページ以上に及んだ。本研究は2ケ年の継続になっているので、つづいて各個研究の形で実験研究を実施し、来年度は2回の検討会を開き、うち1回は最終報告会として研究報告書を作成する予定である。
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