研究分担者 |
清水 秀明 工業技術院, 電子技術総合研究所, 主任研究官
三宅 誠 ATR視聴覚機構研究所, 主任研究員
淀川 英司 ATR視聴覚機構研究所, 社長
福島 邦彦 日本放送協会, 放送技術研究所, 主任研究員 (90218909)
大西 昇 名古屋大学, 工学部, 講師 (70185338)
IWAI Eiichi Tokyo Metropolitan Institute for Neurosciences, Chief Researcher (50073060)
AMARI Shunichi Faculty of Engineering, Tokyo University, Professor
SUZUKI Ryoji Faculty of Engineering, Tokyo University, Professor
YODOGAWA Eiji ATR Anditory and Visual Perception Research Laboratories, President
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研究概要 |
この2年間は, 日米を中心として, 高次脳機能の情報工学的研究がかつてない高まりを見せた期間であった. 計算論的神経科学, ニューロコンピュータ, PDPモデル等の新しいキーワードが創り出され, この分野の研究者だけでなく, コンピュータ技術者や人工知能研究者へも大きなインパクトを与えた. このような状況の中で, 計6回の研究集会を開催した. 集会には, 分担研究者のみならず, 広く産業界, 海外からも多数が参加し, 活発な討議が繰りひろげられた. 海外からの参加者のなかでも, ニューロコンピューターANZAで知られるHecht-Nielsen氏や, 単語をあらわす文字列から学習により発音機能を獲得する神経回路NET talkで知られるSejnowski氏の講演は米国でのこの分野の熱気を伝え, 参加者に強い印象をあたえた. また当総合研究の分担研究者の海外での活躍にも見るべきものがあった. 国際神経回路網協会により創刊された学術雑誌NEURAL NETWORKSの編集長, 編集委員には, 多くの分担研究者が名をつらねている. さらに, IEEEの神経回路網に関する国際会議においても, 甘利, 福島の両氏が会の議長として活躍している. このことは, わが国でのこの分野の活動が, 質・量ともに高い水準にあることを反映している. 過去2年間にわたる分担研究者の研究活動は, 本総合研究の成果報告書にまとめられている. この分野でのわが国の代表的な研究状況が, これにほぼ網羅されているといえよう. 今後ますます加速すると思われるこの分野の研究の発展に, 本総合研究が果した役割は, きわめて貴重なものであった. これを契機として, わが国が, より一層強力に国際的リーダーシップを発揮できるよう, これまで以上に科学研究費の補助が行われることを期待する.
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