研究分担者 |
佐藤 忠信 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00027294)
北浦 勝 金沢大学, 工学部, 教授 (70026269)
竹宮 宏和 岡山大学, 工学部, 教授 (10026156)
秋吉 卓 熊本大学, 工学部, 教授 (60040383)
亀田 弘行 京都大学, 防災研究所, 教授 (80025949)
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研究概要 |
弾性設計および終局設計からなる二段階耐震設計の体系を前提とし, そのための設計地震動の定量的評価, 構造物基礎の動的終局安定性評価のための指標の導入, 上部構造物を対象とする動的破損規範の設定ならびに地盤-構造物系における安定性の最適配分を見い出し, それに基づいて新しい耐震設計法を開発するのが本研究の目的である. まず, 地震動に関しては最悪地震動の評価, 地震活動の非定常性の考慮, 設計地震力の地域特性の明確化を目標とすることにより, 地震の発生と震源過程, また, それによる地震動のスペクトル特性と伝播特性, さらに局所的な地盤条件の影響を明らかにした. 地盤と構造物との間の動的相互作用については, 構造物の動特性への影響評価ならびに, 液状化や剥離や骨動などの不安定現象の解析, そして地盤-構造物系の非線形動的相互作用を明確にするためのハイブリッド実験を行った. 動的破壊規範に関しては, 入力エネルギーと許容履歴吸収エネルギーに基づく新しい耐震設計法の開発が可能であることを示すとともに, 橋脚と基礎の動的非線形相互作用が, 基礎の動的強度や橋脚の非弾性応答や履歴エネルギーや入力エネルギーに及ぼす影響および耐震的に有利な橋脚および基礎について明らかにした. 最後に地中管路の耐震強度評価については, 地盤変状を受ける地中管路の設計に関する1つの考え方を示した. まず, 地震波動に対する従来の設計を行った後, 液状化発生の可能性を検討する. そして, 設計式・地盤ばね定数を用いて, 管路の管体ひずみ・継手回転角を算定して, 許容値との比較を行う. 最後に, 管体・継手・構造物などの設計変更, および地盤変状対策工を施した場合について, 再度地震波動に対する検討を行う. 本研究では, 上述のように耐震解析の対象となる系の中において地震力および耐震性能をどの様に分配しておくことが望ましいかについて, その最適性の評価の方法も含めて明らかにした.
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