研究分担者 |
河野 守 名古屋大学, 工学部, 助手 (60170205)
渡辺 雅生 大同工業大学, 助教授 (80023183)
小浜 芳朗 名古屋大学, 工学部, 助教授 (50023304)
内田 保博 三重大学, 工学部, 助手 (80168707)
森野 捷輔 三重大学, 工学部, 教授 (00027278)
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研究概要 |
本年度は、理論解析並びに実験の両面から上記の研究課題についての基礎的研究が行われた。解析的研究では、立体架構の基本的な連成挙動の解明と実験パラメータの抽出を目的として、並進-ロッキング連成系並びに並進-捩山連成系の動特性について模擬地震波標本集合を用いたシミュレーション応答解析による数値実験的研究が行われた。その結果、基礎の浮上り・回転挙動が系のせん断力応答とエネルギー応答に及ぼす影響と、捩れ連成挙動に関係する動的偏心パラメータと静的偏心,質量回転慣性との関連性が明らかにされ、実験パラメータに関する有用な資料が得られた。実験的研究では、実際的な基礎地盤模型の構成材料を探究する目的で、鋼製コイルスプリング,皿ばね,積層ゴムばね等の静的,動的な力学特性試験と、剛基礎の浮上り・回転機構を開発・試作して剛基礎・地盤模型の浮上り・回転挙動についての静的加力試験,振動台による動的加力試験が行われた。これらの実験結果から、各種の基礎地盤模型の静的,動的荷重下における剛性,減衰特性が明らかにされ、基礎地盤のモデル化に有用な資料が得られた。次に、基礎の浮上り・回転と捩れが連成する立体架構の静力学的挙動を実験的に調べる目的で、スクリュージャッキ9台をコンピュータ制御することにより任意の変形モードで繰返し負荷が可能な多点加力ジャッキシステムが開発・制作された。更に、小型角型鋼管で構成される3構面1スパンの1層並びに3層立体架構模型12体が制作され、現在静的加力実験が行れつつあり、非弾性静的連成挙動に関する実験資料が一部得られている。また、静的実験が完了したモデルについて振動台による動的実験が行われている。 昭和62年度には、継続して実験,解析両面から研究を更に進め、一連の研究結果を整理して鋼構造立体架構の合理的な耐震設計手法を提示する予定である。
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