研究分担者 |
友田 博通 昭和女子大学, 家政学部生活美学科, 講師 (00155582)
在塚 礼子 埼玉大学, 教育学部家政学科, 助教授 (30112973)
初見 学 東京理科大学, 理工学部建築学科, 講師 (40107537)
畑 聰一 芝浦工業大学, 工学部建築工学科, 助教授 (80104909)
小柳津 醇一 芝浦工業大学, 工学部建築学科, 助教授 (30052830)
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研究概要 |
1.今年度研究の成果当初の研究計画通り、今年度は日韓それぞれの伝統的居住形態の存続する農漁村住居の実態調査とその分析を行った。特に、8月末から2週間にわたり実施した、韓国固有の伝統を持続させる離島農漁村の日韓共同調査では、近代化により変動する以前の住居や住様式の特徴を捉えることができた。具体的には、当研究グループがすでに明らかにしているソウル近郊の同族村落との関係で捉えることのできる霊興島の農村,儒教精神の残存する西南部離島(飛禽島)の半農半漁村,南海岸離島新樹島の漁村などの調査である。 さらに9月、ソウル大学李光魯教授と日韓の住居,住様式比較に関する討論の機会を得、日韓住居の近代化過程の差異についても討議した。なお、当研究グループでは、日韓の住居がともに床座であり、オンドルと畳を特徴とし、また食事や接客の形式が類似するなど、類似点と差異点に関する実態を把握し報告している。現在の研究展開は、さらにこれらの調査で得た実態把握を基礎に、伝統的形態の崩壊過程の分析と近代化過程の分析を並行し行っており、課題とする「相対的視点での住居形態の変容・発展の構造」の抽出に向け比較分析を推めている。 2.今後の研究の展開に関する計画(調査について)来年度は、過去の研究で不十分な箇所(1)都市の戸建て住宅における近代化過程(2)70年代セマウル運動で計画された新農村の住居形式と住み方を把握するための日韓共同調査を6月に予定している。なお、韓国居住文化の深層を理解するために、同族村落,徳峯里における儀礼空間の調査,韓国住居の構成要素である「内房」「大庁」などの呼称の意味の変容に関する調査についても検討中である。さらに、日本の都市住居,農漁村住居について、日韓共同調査も計画中である。
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