研究分担者 |
小林 紘二郎 京都大学, 工学部, 助教授 (70026277)
水谷 宇一郎 名古屋大学, 工学部, 助教授 (00072679)
藤田 広志 大阪大学, 工学部, 教授 (30028930)
藤田 英一 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (90029380)
中村 陽二 京都大学, 工学部, 教授 (50025780)
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研究概要 |
非平衡状態にある合金相の形成に関して種々の実験手段の持つ特徴を生かして合金相の作成と得られた試料の物性測定とを行って成果を挙げた.実験手段として,当総合研究の分担者により利用されたものは,固相の急冷,液体の急速凝固,気相・プラズマからの凝縮(スパッタリング,イオン注入など)および電析,無電解メッキ,機械的強加工(メカニヤル,アロイニグ)などがある. また数万気圧の高圧を加えて高圧相を形成し,圧力をかけたままで温度を液体窒素温度まで下げ,低温状態で除圧することにより高圧相を常圧に凍結することが出来るとの報告がある. この常圧での非平衡な高圧相は,常圧で液体窒素温度から徐々に昇温してゆく過程で高圧の結晶相が分解して一旦アモルファス相となり,その後に再び結晶(常圧での安定相)となることが見出された. またメカニヤル・アロイングによる非平衡相の形成についても多くの研究成果が挙げられている.例えばAlーFe 合金の長時間のボールミリングによってAlの結晶粒度が数10ナノメーターにまで微細化することが確められ, 更にまたFeの粒子は時間とともに10ナノメーターにまで微細化してAlの基地中に分散することが認められた. またTiーNz合金においては,メヤニヤル・アロイニグにより,固相反応によるアモルファス化の起ることが多くの研究者により確認された. その固相反応の生ずる過程の研究も行なわれ,どのような元素の組合せが固相反応によるアモルファス化に適しているかを,合金化におけるエンタルピー(反応熱)と原子サイズ,相互拡散の速度などにより経験的に整理することにある程度の成果を見ている.
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