研究課題/領域番号 |
61302073
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
新宮 秀夫 京都大学, 工学部, 教授 (20026024)
|
研究分担者 |
小林 紘二郎 京都大学, 工学部, 助教授 (70026277)
水谷 宇一郎 名古屋大学, 工学部, 助教授 (00072679)
藤田 広志 大阪大学, 工学部, 教授 (30028930)
増本 健 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20005854)
中村 陽二 京都大学, 名誉教授 (50025780)
|
研究期間 (年度) |
1986 – 1988
|
キーワード | 非平衡 / 準安定 / 急冷 / 気相急冷 / 人工格子 / メカニカルアロイング / 準結晶 / アモルファス |
研究概要 |
本研究は新素材の機能を発現させる原因が多くの場合材料の原子的構造がより複雑な構造を取っていることに因ること、そしてそのような複雑なより乱れた構造は、高温においては安定相として存在し得るが、材料の実用される温度域では非平衡相である点に注目し、従来個々に発見され、利用されて来た非平衡相をより系統的、基礎的な視点に立って検討し、その成因、形成プロセスの研究と機能発現の機構の材料物性的立場からの研究を行おうとするものであった。高温あるいは、これに相当する高エネルギー状態に材料を一旦保ち、その状態における乱れた構造を低温に凍結、固定するという技術がこの研究の基礎であるが、これには、固相、液相、気相の超急速冷却、スパタリング、CVD、イオン照射等のイオンやプラズマの応用、電着、化学分解等の利用、機械的エネルギーを利用するメカニカルアロイングなどの固相反応の利用、超高圧、高磁場の利用など多岐に渉った、多くの分野の研究者の協力が必要であった。その目的のため本総合研究の組織には研究分担者として、金属、化学、電気、物理の分野からの参加を得、様々な異なった角度からの非平衡材料の研究を組織的に行うことが出来、異なる分野の交流啓発が得られた。その成果は計6回に渉って開催した研究・発表討論会および、この研究組織が中心となって昭和63年3月に開催された国際会議「非平衡合金固相の研究」において広く我国はもとより世界的に評価を得るに足るものとなった。この総合研究を通じて研究組織の各分担者の得た非平衡材料に関する知見、その潜在的可能性の大きさについての実感は、今後のこの分野の研究が我国において飛躍的に発展する基礎となったと思われる。具体的成果の詳細は報告書に収録の120編に及ぶ論文に示されている。
|