研究課題/領域番号 |
61302075
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
浅野 猪久夫 農工大, 農学部, 教授 (60023371)
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研究分担者 |
岡島 達雄 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (30024243)
岡野 健 東京大学, 農学部, 教授 (30011927)
竹村 冨男 名古屋大学, 農学部, 教授 (90014919)
則元 京 京都大学, 木材研究所, 助教授 (20027163)
鈴木 正治 東京農工大学, 農学部, 教授 (90126293)
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キーワード | 温度調節機能 / 透湿抵抗 / 湿度調節機能 / 線形熱湿気方程式 / 固体音 / 熱放射率 / フリッカー値 / 表皮・層内反射 |
研究概要 |
61年度における全員の研究成果は別刷のとおりである。ここでは、主な成果について要約する。 調温設計:東によると実験住宅を用いて、屋根、天井に厚い木質パネルを複合して断熱効果を高めた。これらの貫流熱を比較すると、断熱による貫流熱の抑制がなく、室温の位相を遅らせる効果にとどまった。断熱化が不充分な場合、このような現象が起るので、調温設計上留意すべきことである。 調湿設計:則元によると、室内における湿度の変化は温度の変化によって表わすことができる。これを利用すれば、温度を制御することによって、湿度を各種の壁材料について制御することができ、設計に応用できる。 防露設計:結露は木造住宅の中では、モルタルの塗り壁に生じる。鈴木によるとこの防止法として、木材の調湿効果を利用する方法と壁に高い吸湿性成分を混入する方法を提案した。後者の方法はいかに多湿でも室内の湿度を下げる特徴があり、防露設計用の新素材への発展が期待できる。 耐衝撃音設計:青木によると、衝撃による音の発生は、空気音と固体音でなることから、各パネルの固体音と空気音の波形を分析して、衝撃音低下の方法について検討した。 床の設計:川村によると、代表的な床材料として、木材、カーペット、コンクリート、塩ビシートなどの歩きやすさを調べると、カーペットがよく、木材がよいとはいえない。しかし、歩行後の疲労感や心拍数の増加率が小さいことがわかった。南澤によると、タタミの圧縮フリープと回復について調べ、タタミ表、タタミ床で異なった性質があり、擬弾性挙動を明らかにした。この総合研究では、光環境,触覚環境,木質環境の生物,衛生学的評価など興味のある課題の研究が進められている。まだ設計には至っていないが、62年度へ継続して追求がなされる。
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