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1986 年度 実績報告書

生体膜における秩序構造形成

研究課題

研究課題/領域番号 61302085
研究機関東京農工大学

研究代表者

美宅 成樹  農工大, 工学部, 助教授 (10107542)

研究分担者 野沢 庸則  東北大学, 非水溶液化学研究所, 助教授 (10006322)
豊島 喜則  広島大学, 総合化学部, 教授 (60013166)
川戸 佳  東京大学, 教養学部, 助教授 (50169736)
桐野 豊  九州大学, 薬学部, 教授 (10012668)
八田 一郎  名古屋大学, 工学部, 教授 (70016070)
キーワード生体膜 / 脂質膜 / 膜タンパク質 / 分子内相互作用 / 秩序構造形成 / 高次構造生体膜機能
研究概要

生体膜は膜タンパク質と脂質からなっており、化学組成から見て非常に複雑な秩序構造である。しかし、これらの複雑な生体膜もその秩序構造を作る力に注目してやると、意外に単純になっている。そこで本研究では生体膜に係わる全ての種類の秩序構造について分子間(又は分子内)相互作用の性質を軸に検討を加え、生体膜秩序構造形成の一般的原理を明らかにすることを目的としている。具体的には次の疑問に対する答を出す。「膜タンパク質内のヘリックス間結合、膜タンパク質の会合、脂質の相分離などの秩序構造はどのような膜内分子間(又は分子内)相互作用によってできているのだろうか」このために本研究は種々の研究技術を持つ若い研究者を集め、その研究成果を比較検討することにした。研究会は班員以外の人の参加も得て、昭和62年1月8,9日に行なわれた。そして主として3つの側面から構造形成の問題を議論した。(1).膜タンパク質自体の構造形成については、原子レベルの解析を可能にするような膜タンパク質結晶が得にくいなどの困難があり、壁につきあたっているテーマである。この課題についてはX線解析を始め、蛍光ESR、NMR、化学緩和法等の種々の方法が用いられた。また、唯一立体構造がわかっている反応中心を用いて、理論的な解析も盛んに行なわれた。(2).膜タンパク質の四次構造は機能との関係で最も重要な課題のひとつである。今回は四次構造の物性を測定するための実験方法の面で発展がみられた。(3).脂質相の秩序構造に関する議論は数は少なかったが、より詳細な検討が加えられ、原子レベルの構造や動的性質が明らかになった。それぞれの小テーマ毎に研究の進展状況は異なるが、分子間(分子内)相互作用から生体膜の秩序構造を整理するという本研究の企図が着実に実を結びつつある。

  • 研究成果

    (17件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (17件)

  • [文献書誌] 美宅成樹: パリティ. 2-3. 26-36 (1987)

  • [文献書誌] N.Kamo;M.Yoshimoto;Y.Kobatake;S.Itoh: Biochem.Biophysica.Acta.

  • [文献書誌] K.Higashi;S.Suzuki;H.Fujii;Y.Kirino: J.Biochem.101. 433-440 (1987)

  • [文献書誌] T.Sano;T.Nakatsuka;H.Tsuruta;S.Harada: Bull.Chem.Soc.Jpn.60. 759-761 (1987)

  • [文献書誌] N.Utsunomiya;M.Tsuboi;M.Nakanishi: Proc.Natl.Acad.Sci.83. 1877-1880 (1986)

  • [文献書誌] T.Nozawa;T.Fukada;M.Hatano;M.T.Madigan: Biochem.Biophys.Acta. 852. 191-197 (1986)

  • [文献書誌] M.Kataoka;K.Takeda;Y.Morimoto;N.Sato;N.Tanaka;F.Tokunaga: Photobiochem.Photobiophys.

  • [文献書誌] K.Kinosita;Jr.T.Kouyama;A.Ikegami: J.Chem.Phys.in press.

  • [文献書誌] H.Akytsu: J.Magn.Reson.66. 250-263 (1986)

  • [文献書誌] T.Ueki et al.: J.Biochemistry. 99. 1127-1136 (1986)

  • [文献書誌] S.Kawato;F.Mitani;T.Iizuka;U.Ishimura: in preparation.

  • [文献書誌] H.Merkle;W.K.Subczynski: Biochem.Biophys.Acta.

  • [文献書誌] T.Horio;H.Hotani: Nature. 321. 605-607 (1986)

  • [文献書誌] K.Akabori;K.Izumi;H.Tukamoto;Y.Toyoshima: Biochem.Biophys.Acta. (1987)

  • [文献書誌] K.Okuyama et al.: Bull.Chem.Soc.Jpn.59. 3351-3356 (1986)

  • [文献書誌] K.Nunogaki;M.Kasai: Biochem.Biophys.Res.Commun.140. 934-940 (1986)

  • [文献書誌] I.Hatta;S.Kato;: Mol.Cryst.Liq.Cryst.

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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