分析化学における非水溶媒の役割と化学種の相間移動に関する基礎的研究

1986 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 61303006
• 研究機関: 東北大学
• 研究代表者: 鈴木 信男 東北大, 理学部, 教授 (10006025)
• 研究分担者: 千田 貢 京都大学, 農学部, 教授 (90026419) ; 田中 元治 名古屋大学, 理学部, 教授 (80022507) ; 池田 重良 大阪大学, 理学部, 教授 (20028070) ; 守永 健一 埼玉大学, 理学部, 教授 (40008793) ; 山本 勇麓 福井工業大学, 教授 (00033770)
• キーワード: 非水溶媒 / 相間移動 / 液液界面 / 溶媒和 / 溶質ー溶媒相互作用 / ポーラログラフィー / 液ー液分配係数 / クロマトグラフィー

研究概要

数多くの分析法や分離法で非水溶媒は広範囲に利用され、大きな役割を果しているが、その役割の本質を理解することは、問題がきわめて複雑であることから容易ではなく、多くは定性的な域を脱することができない状態であった。このような時期に、分析化学的に重要な溶質ー溶媒、および溶質ー溶質間相互作用と二液相間のイオン・分子の移動に関する諸問題を総合的かつ定量的に解明し、さらに非水溶媒の新しい応用分野の開発を目ざして本研究が開始された。この研究は、2年間で目的を達成すべく計画されたものであり、その計画を円滑に推進するため、初年度に当る昭和61年度には、以下に示す研究計画が実施された。
1.研究代表者および研究分担者全員の出席のもとに、分析化学における非水溶媒の役割と化学種の相間移動に関する研究の動向ならびに問題点についての研究打合会が開催され数多くの有益な知見が交換された。
2.研究代表者および研究分担者相互間の研究進展状況の相互理解と、研究討論の円滑化を図るため、初年度分の研究集録をとりまとめ、印刷配布された。
3.各種溶媒中におけるイオンと錯体の溶存状態と反応性に関しては、アルカリ土類金属塩化物の安定度(北川)アニオンの溶媒和(守永)、錯体の生成速度や溶媒交換速度(田中)、非水系での錯体の溶媒和(山本)が研究され、光電子スペクトルを利用して(池田,松村)あるいは、電気化学的手法や分光法により(岡崎,梅本)錯体やイオンの溶液挙動が調べられた。二液相イオン移動に関しては、電気化学的手法(伊豆津,木原,千田)が活用され、非電解質は溶媒抽出法(鈴木)で研究された。さらに、紙の酸性の定量法(藤原),新しい電極(増田),分光学的分析法(佐藤,横山)が研究された。

研究成果

• [文献書誌] K.Ono 他: Chem.Phys.Lett.128. 289-290 (1986)
• [文献書誌] Y.Satsu 他: Chem.Lett.1986. 585-588 (1986)
• [文献書誌] 伊豆津公佑: 金属表面技術. 37. 356-361 (1986)
• [文献書誌] K.Izutsu 他: J.Electroanal.Chem.
• [文献書誌] 伊豆津公佑 他: ぶんせき.
• [文献書誌] K.Umemot: Bull.Chem.Soc Jpn.59. 3047-3052 (1986)
• [文献書誌] 岡崎敏 他: ぶんせき. 1896. 256-261 (1986)
• [文献書誌] 野崎浩一 他: ぶんせき. 1986. 649-651 (1986)
• [文献書誌] I.Sakamoto 他: Mem.Fac.Educ.Shimane Univ.(Nat.Sci.). 20. (1986)
• [文献書誌] H.Doe 他: Bull.Chem.Soc.Jpn.
• [文献書誌] H.Doe 他: Inorg.Chem.
• [文献書誌] S.Kihara 他: J.Electroanal.Chem.210. 147-159 (1986)
• [文献書誌] S.Kihara 他: Anal.Chem.58. 2954-2961 (1986)
• [文献書誌] S.Kihara 他: Rev.Polarography. 32. 71 (1986)
• [文献書誌] K.Ogura 他: Rev.Polarography. 32. 77 (1986)
• [文献書誌] A.Kurahashi 他: Chem.Lett.1986. 1413-1416 (1986)
• [文献書誌] M.Sato 他: Anal.Sci.2. 529 (1986)
• [文献書誌] N.Suzuki 他: Chromatographia. 22. 43-47 (1986)
• [文献書誌] N.Suzuki 他: Chromatographia. 22. 132-134 (1986)
• [文献書誌] Y.Wakui 他: Chromatographia. 22. 160-164 (1986)
• [文献書誌] H.Imura 他: Bull.Chem.Soc.Jpn.59. 621-626 (1986)
• [文献書誌] S.Nakamura 他: J.Radioanal.Nucl.Chem.99. 145-152 (1986)
• [文献書誌] H.Imura 他: Bull.Chem.Soc.Jpn.59. 2799-2783 (1986)
• [文献書誌] T.Takutani 他: Bull.Chem.Soc.Jpn.59. 781-788 (1986)
• [文献書誌] 千田貢 他: 日化. 1986. 956-964 (1986)
• [文献書誌] S.Azuma 他: Acta Cryst.C42. 673-677 (1986)
• [文献書誌] S.Funahashi 他: Microchim.Acta(Wien). II. 33-47 (1986)
• [文献書誌] S.Funahashi 他: Bull.Chem.Soc.Jpn.59. 161-167 (1986)
• [文献書誌] S.Funahashi 他: J.Soln.Chem.
• [文献書誌] S.Funahashi: Inorg.Chim.Acta.
• [文献書誌] N.Nakasuka 他: Acta Cryst.C42. 1736-1739 (1986)
• [文献書誌] 藤原鎭男: Library and Information Science News. 48. 39-44 (1986)
• [文献書誌] Y.Nakabayashi 他: J.Electroanal.Chem.205. 209 (1986)
• [文献書誌] Y.Nakabayashi 他: Electrochim.Acta.
• [文献書誌] Y.Matsuda 他: Rev.Polarography. 32. 49 (1986)
• [文献書誌] 松村竹子 他: 奈良教育大学紀要. 35. (1986)
• [文献書誌] A.Hioki 他: Inorg.Chem.25. 1360-1364 (1986)
• [文献書誌] A.Hioki 他: Inorg.Chem.25. 2904-2907 (1986)
• [文献書誌] M.Inamo 他: Bull.Chem.Soc.Jpn.59. 2629-2630 (1986)
• [文献書誌] K.Ishihara 他: Inorg.Chem.25. 2898-2901 (1986)
• [文献書誌] K.Matsumura 他: Inorg.Chem.
• [文献書誌] N.Nakasuka 他: Acta Cryst.C42. 1482-1455 (1986)
• [文献書誌] T.Matsumura-Inoue 他: J.Electroanal.Chem.209. 135-150 (1986)
• [文献書誌] K.Miyaji 他: Bull.Chem.Soc Jpn.59. 1695-1700 (1986)
• [文献書誌] E.Iwamoto 他: Polyhedron. 5. 815-819 (1986)
• [文献書誌] K.Ito 他: Bull.Chem.Soc.Jpn.59. 3841-3846 (1986)
• [文献書誌] S.Yamasaki 他: J.Chem.Soc.Faraday Trans.I. 87. (1987)
• [文献書誌] S.Yamasaki 他: J.Chem.Soc.Faraday Trans.I.
• [文献書誌] T.Hinoue: Anal.Sci.2. 401-406 (1986)
• [文献書誌] T.Hinoue: Anal.Sci.2. 407 (1986)