研究分担者 |
西村 善文 東京大学, 薬学部, 助手 (70107390)
西川 一八 名古屋大学, 理学部, 助手 (60109262)
上杉 晴一 大阪大学, 薬学部, 助教授 (70028851)
箱嶋 敏雄 大阪大学, 薬学部, 助手 (00164773)
京極 好正 大阪大学, 蛋白研究所, 教授 (90012632)
|
研究概要 |
1.総合班活動 生物物理学会(1986年10月)において「核酸構造の多様性と生物学的意味 と題してシンポジウムを主催した。DNAとtRNAの構造多様性,高次構造と機能との関係,さらにDNA-蛋白質複合体の研究例を発表した。当日夜に班会議がもたれ、個々の班員の立場から班の方向について活発な意見が交された。分子生物分野との合同討議の重要性が指摘された。1987年1月10日,11日の2日間伊豆にて「核酸,タンパク質相互作用と遺伝子の転写,翻約 と題する研究集会を班員外の10人を招待して開催した。分子生物学と生物々理学分野の研究者の間で活発な討論と交流が実現した。 2.研究実績(【i】)西村はオリゴ核酸のラマン分光の解析結果から、制限酵素の切断パターンと二連子塩基対のセグメント構造との深い関係を示唆した。神藤は多数のオリゴマーの【^1H】化学シフトが三連子塩基配列のみによって説明できることを示した。(【ii】)上杉はヘアピンループのステム,ループ長を変えてループ構造の安定因子に関する興味ある結果を得た。(【iii】)橘はプロモータ転写活性と塩基配列の熱安定性との強い相関があることを示した。(【iv】)箱嶋はHu-DNA複合体単結晶の3.4【A!°】回析データの解析から、結晶の空間郡を決定し、最も合理的な分子充填モードを決定した。複合体中のDNAが電子密度に現われつつある段階である。(【v】)西川はtRNAのコドンアンチゴドンのWobble塩基対をWatson-Crik型に改変した変異種において新しいタイプの"Contexeffect"を示唆する結果を得た。(【vi】)京極は入ファージのオペレーター中の【0_R】3を化学的に合成した17-merで詳細にNMRで調べ、Croリプレッサーが結合したと時に起る変形を見た。中央部で狹い溝が押し縮められるような構造を推定した。この変形は【O_R】3にのみに特異的に起り、同じ程度の長さで塩基配列の異なものについては入Croが結合しても変形が起らなかった。
|